「目が合った瞬間 押し倒して最後まで手を出してしまいそうで────」
概要
「ヴァニタスの手記」に登場するジャンヌとヴァニタスのカップリング。
初めの頃は余裕なヴァニタスに振り回されてばかりのジャンヌであったが、ジェヴォーダンでの戦いから徐々に逆転していき、恋を自覚してからは完全に攻守逆転しているのでヴァニジャンではなくジャンヴァニと表記するほうが正しいのかもしれない。
本編での関係性
9人殺しの呪持ちを追っている際に2人は遭遇する。
ジャンヌはヴァニタスに対して尋常でないほどの敵意を向けていたが、ヴァニタスはそんな彼女に突然キスをして、
「君が好きだ」
「オレの所有物(はなよめ)になってくれ」
と求愛。自分のことを絶対に好きにならなさそうなところが良いのらしい。
仮面舞踏会では、吸血衝動に襲われたジャンヌにヴァニタスは血を吸わせ、その吸血衝動を秘密にするかわりに「君はオレ以外の血を吸ってはならない」「名前で呼んでくれ」とふたつの条件を提示。
余裕のある表情でジャンヌを翻弄するヴァニタスだが、血を吸われる際の快楽に喘ぎ悶える表情はとてつもなく色っぽい。
ヴァニタスに翻弄されっぱなしのジャンヌだが、2人の関係はジェヴォーダンでの戦いから変化していく。
戦いの途中、ヴァニタスはジャンヌを庇って毒を受けてしまう。
大雪により冷えた身体を心配したジャンヌは、自分の肌でヴァニタスを温めようと彼を脱がそうとする。彼は真っ赤な顔で拒否するものの、問答無用で脱がされてしまう。
熱で情緒不安定になっているヴァニタスに口移しで水を飲ませるなど、このシーンのジャンヌはヴァニタスに対して少々強引だ。
「それが君の望みか?……本当に?」
処刑人として呪持ちであるクロエを殺す使命に駆られるジャンヌは、クロエを殺すことが本当に自分の望みなのかヴァニタスに問われる。
本当はクロエを殺したくない、助けたい。ーーヴァニタスは、ジャンヌのその本当の思いに気づいていた。しかし、もしそれを願ってしまったら他の誰かが傷ついてしまう。ヴァニタスにも危険が及んでしまう。そんな不安を吐露する彼女に、ヴァニタスは「オレは死なんさ!」と無邪気に笑って、彼女の望みを受け止めたのだった。しかしその約束は彼にとって不本意な約束だったのらしい。(ノエに影響を受けた)
「…だいぶ、広がったな……」
クロエを助けるため、ジャンヌの望みを叶えるため、ヴァニタスは「蒼月の所有印」の力まで用いて事態をおさめた。しかしその力には大きな代償があるようだ。
真っ白な雪が降り積もるなか、「寒い」とひとりつぶやくその姿は酷く痛々しく、孤独を感じさせる。
そんな彼の元へジャンヌが駆け寄ってきて、彼を勢いよく抱きしめ、クロエのことへの感謝を伝え、衝動的に彼の首筋から血を吸うのだった。そして不意打ちで彼の頬にキスをする。
この時のヴァニタスの表情にはいつもの余裕さはなく、赤面し、ただただ困惑していた。
ジェヴォーダンでの一件が収まった後、ヴァニタスはジャンヌによって掛けられた「呪い」に苦しんでいた。恋という名の呪いだろう。オルロックの元へ相談に行くも追い返されてしまったヴァニタスは、偶然出会ったローランとオリヴィエに相談をするのだった。
「気持ち悪いだろう!!オレのような人間のことを好きになる奴なんて………」
ローラン達に恋だと断言されるヴァニタスだが、それを強く否定。彼は、自分のことを酷く嫌っていたのだった。それにはローランも驚きを隠せず、近くで話を聞いていたノエも、目を見開いていた。
その感情を受け入れられないヴァニタスと対照的に、恋だと自覚したジャンヌは表情が豊かになり、とても幸せそうだ。
「目が合った瞬間、押し倒して最後まで手を出してしまいそうで」
ヴァニタスに手を出してしまいそうなことを告白するその表情は、もう恋する乙女ではなく飢えた獣そのものだ。