「ステラーライフTRPG」とは、SFをテーマとするスペースオペラ系同人TRPGルールである。
ゲーム概要
世界観
はるかはるか未来の時代。ワープ航法で外宇宙へと飛び出した人類は、テラフォーミングを行い、軌道エレベーターを建設することで、銀河の星々へと入植。電脳化によってスーパーコンピューター級の演算能力を獲得した人類は、さらにゲノム編集によって新たな人類種を誕生させていった。しかし、この生まれた人類種たちの扱いをめぐって対立が生じ、やがて銀河は4つの巨大勢力に分断され、互いに海賊行為や謀略で争うようになってしまった。そして、大勢力たちの先鋭化したイデオロギーと長引く闘争によって人類は疲弊し、多くの惑星は中立の道を選ぶようになった。
宇宙船乗りたち
分断された星々を繋ぎ、人々を襲う様々なトラブルを解決するのが、PCたち宇宙船乗り(アストロノーツ)だ。光速よりも速くワープ航法で移動できる宇宙船は大量の情報を運ぶことができ、「宇宙の郵便屋さん」のように星々を渡っていく。そして、商船を襲う宇宙海賊を退治したり、宇宙の深奥に眠る謎を解いたり、お宝を探して貿易で大儲けしたり、はたまた自分の勢力のために政治戦や外交戦に乗り出したりするのだ。
PCたちの冒険の糸口たる「シナリオ」は、サポートサイトに多数掲載されている。
種族
オリジナル
homo sapiens、つまりほとんどゲノム編集を受けていない「自然」な人類種。電脳への適応力は低いが、強靭で消化能力が高く、丸一日食べなくても生きて活動できるほどにサバイバルに強い。
ニューヒューマン
homo emendatus、つまり電脳に適応すべく「拡張」された人類種。電脳のスペックを補完する高い論理的思考力を持ち、また他のゲノム編集人類種と同じく赤や青など鮮やかな色の髪や瞳を持っている。
ドワーフ
homo nauta、つまり宇宙船や宇宙ステーションの環境に適応すべく生まれた「船員」の人類種。狭い宇宙での暮らしもへっちゃらで、自律神経が発達しているため低重力にも強い。体格は小さいが優れた共感力を持ち、手が器用。
ナノボット・シンバイオシス
homo machina、つまりナノボットという極小「機械」と共生する人類種。他の人類種と比べ体内のナノボットが非常に多く、ナノボットを集めて爪や角を伸ばしたり、ナノボットを機械の中に侵入させて直接接続することもできる。
ソウルシミュレータ
soul simulator、ヒトの心を模した機械の人類種。量子演算と機械学習アルゴリズムで動く「汎用AI」と異なり、ヒトの思考回路を機械的に再現している。それでも他の人類種よりも「頭の回転」が速く、直観力に優れる。
アニマルインターブリード
animal interbreed、ヒトと他の動物をかけ合わせた人類種。イヌブリード、トリブリード、ネコブリード、ウサギブリード、イルカブリードといった種類があり、それぞれの動物の耳や尻尾、翼などが生えている。
ゲームシステム
電脳化した超人類のマルチタスク能力を表現するための、ターン制のアクション割り振り型システム。各PCは5~7個の10面ダイスを持ち、《ビーム攻撃》《ドローン指揮》《ミサイル防御》《降伏勧告》などなど異なる行動(アクション)にダイスを割り振ることができる。「スキル」や「アビリティ」、「装備」の力も活用して、同一ターンの間に複数の課題を解決していくことができる。この基本ルールに加えて、シチュエーションごとに異なるルール「シナリオコンポーネント」を採用していく。
エンゲージメント
宇宙船同士の砲撃戦を扱うルール。宇宙船のビームやミサイル、ドローン、電子戦装備、それから巨大ロボット兵器「フィジカル・アバター」を使って、敵艦を攻撃して降伏に追い込む。ターンをかわりばんこに行って、直前の相手ターンの攻撃を「防御」することができるという特異な仕様を持つ。
ヴォヤージュ
宇宙の旅を扱うルール。単調な移動ではなく、資源集めや航路開拓、さらには気合を高める《遊興》まで、様々なアクションが旅路を彩る。
エクスプロア
探索や情報収集を扱うルール。手がかりごとに《調査》のアクションを行って、シナリオの真相に近づいていく。他のシナリオコンポーネントと組み合わせることが多い。
ステラーライフ
超未来の日常を扱うルール。ランダム表でお題を出してロールプレイして、日々仲間たちと交流を深めることで気合を高める。アイスブレイクに向く。
コンバット
船やアバターを降りての銃撃戦を扱うルール。スクエアマップで移動コスト、遮蔽の概念があり、さらに索敵や電子戦などによる「スポット」の概念も入る複雑なルール。3Dマップのオンラインセッションツールを使うと遊びやすい。
ソサイエティ
選挙や派閥争い、世論戦を扱う政治のルール。3すくみの議論戦略で議論を展開するとともに、人々に強い影響力を持つ「インフルエンサー」に《ロビイング》を行って自陣営が優位になるように働きかける。
フリートバトル
大艦隊同士の艦隊戦を扱うルール。参謀本部の役割を果たすPCたちは、3すくみの艦隊戦略で指揮を執る。《諜報工作》で相手の戦略を知ることが重要になる。
ネゴシエーション
外交や取引など、交渉ごとを扱うルール。「ポーカーフェイズ」、「ベッティングフェイズ」、「ショウダウンフェイズ」に分かれ、交渉の「カード」を誰に渡すかを「利得表」と睨み合いながら決めていく。