「氷上のレース」とも呼ばれる。また、広い意味ではショートトラックも含まれる。
選手はスピードを出すために空気抵抗の少ない体にぴったりした服をまとう。また鍛錬のため太腿が太くなり、独特のスピードスケート選手体型ともいうべき体格を生み出す。
そのためにpixivのスピードスケートタグの付いた絵は…いや、ここでやめとこう。
競技の進め方
1周400mのリンクを反時計回りに滑る。多くの場合はダブルトラックで、インとアウトから2人の選手がスタートし、1周ごとにバックストレートで交差する。ブレード(刃)の一部がフィニッシュラインを通過した瞬間のタイムで順位を決める。
スターターによる"Go to the start."の合図で、選手はプレスタートラインからスタートラインの間で静止する。スターターが"Ready."と合図すると同時に、選手がスタートの構えで号砲まで静止。フライングをした場合は2発目の号砲かホイッスルで選手を呼び戻す。個々の選手の回数に関わらず、2回目以降にフライングをした選手は失格。
カーブを曲がる際にはインレーンとアウトレーンの境界線を越えてはいけない。ただしインレーンを滑っていてアウトレーンにはみ出してしまった選手は、アウトレーンを滑る選手の進路を妨害する意図がない場合、失格することなく滑り続けられる。
個人で行われる距離
距離 | 男子 | 女子 |
---|---|---|
500m | ○ | ○ |
1000m | ○ | ○ |
1500m | ○ | ○ |
3000m | × | ○ |
5000m | ○ | ○ |
10000m | ○ | × |
総合選手権では、男子が500m・1500m・5000m・10000m、女子が500m・1500m・3000m・5000mのそれぞれ4種目の合計点で総合優勝が決まる。
スプリント選手権では男女とも500mと1000mを2本ずつ滑った4種目の合計点で勝敗を決する。
いずれもフィニッシュタイムを500mあたりに換算した得点を獲得する。1500mならタイムを3で割った得点を獲得。総合得点が低くなるほど上位に立つ。
冬季オリンピック、世界距離別選手権などの距離別大会では、上表の距離別にタイムを競い、優勝者を決める。
オリンピックでは1998年の長野大会から2014年のソチ大会まで、500mは2本の合計タイムで争われたが、2018年の平昌大会からは1本勝負となった。
世界中を転戦するISUスピードスケート・ワールドカップでは、各々のレースは単独大会として行われ、かつ各距離各レースの順位点の合計点(W杯ポイント)をもって、距離ごとにシーズンチャンピオンを決める。W杯ポイントの計算上、男子5000mと10000m、女子3000mと5000mはそれぞれ合算される。
チームパシュート
Team pursuit
「団体追い抜き」とも呼ばれるチーム種目。
世界距離別選手権やワールドカップで行われるほか、冬季オリンピックでは2006年のトリノ大会から行われている。
2チームが出場。400mリンクのメインストレートとバックストレートの中央から1チーム3人ずつが同時にスタートし、男子は8周(3200m)、女子は6周(2400m)する。全員がそれぞれ最低でも1周は先頭に出なければならない。3人目の選手のブレード(刃)がフィニッシュラインを通過した時点のタイムを競う。
マススタート
Mass start
世界距離別選手権やワールドカップで行われるほか、冬季オリンピックでは2018年の平昌大会から行われている。
数多くの選手が一斉にスタート。400mリンクを16周する(6400m)。1周目は追い越し禁止。2周目以降は加速できる。どのタイミングで飛び出すか、選手同士の駆け引きが繰り広げられる。1周遅れるとレース終了。4周ごとの順位でポイントが計算される。
- 中間スプリント(4周、8周、12周)通過時点で1位、2位、3位の選手にそれぞれ5ポイント、3ポイント、1ポイント。
- 最終スプリント(16周)を1位、2位、3位でフィニッシュした選手にそれぞれ60ポイント、40ポイント、20ポイントとなる。
- これらの合計で順位が決定。ただし最終スプリントを1位、2位、3位でフィニッシュした選手が、そのままそのレースの1位、2位、3位となる。ポイントを獲得していない選手には、最終スプリントでのフィニッシュ順で順位がつく。フィニッシュできなかった選手には、レースを断念する前の完了した周回数で順位がつく。