イスラム教の最大宗派と呼ばれ、シーア派と共に二大宗派の一つであると呼ばれる人々のこと。カタカナではスンナ派とも表記する。
より正確に定義づけるなら、シーアとはアラビア語で分派のことであり、分派に属する少数派が日本語で言うシーア派であり、分派に属さないその他大勢の人々をスンニ派と呼んでいるのである。スンニという語の由来に即せば、ムハンマドの言行禄すなわち「スンニ」に従う人びとを意味する。
その他大勢の人々であるだけに、シーア派各派のような教団組織がある訳ではない。ムハンマドの後継者である4代のカリフ、そして4代目カリフアリーの支持者がシーア派となって以降はウマイヤ朝アラブ帝国、アッバース朝イスラム帝国のカリフ中央政府と各地のアミール、スルタンの独立政権、そして法学者たち、それらイスラム社会のほぼ全てがいわばスンニ派の教団組織である。
シーア派の多くがイマームが誰であるかイマームがどう判断したかを重んじるのに対し、スンニ派は出来るだけ多数の法学者の合意によって物事を決定する。スンニの解釈に関する法学者たちの見解の違いと合意からマーリク派、ハナフィー派、シャーフィイー派、ハンバル派の4法学派が存在する。多くの人々がある程度西洋の価値観も容認する穏健派であるが、中には過激な組織も存在している。