概要
Tarmogoyf / タルモゴイフ (1)(緑)
クリーチャー — ルアゴイフ(Lhurgoyf)
タルモゴイフのパワーは、すべての墓地にあるカードのカード・タイプの数に等しく、タフネスはその点数に1を加えた点数に等しい。
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初登場エキスパンションは未来予知。このエキスパンションはMTGの「未来」がテーマであり、カード・タイプの注釈文に当時存在しなかった「プレインズウォーカー」という言葉が使われていた。
このクリーチャーの弱い点
2マナで最低0/1、 他にはなんの能力もない。
その上、サイズを決めるのはカード・タイプの「種類数」。
MTGでは「カード・タイプ」は全部で8種類しかないため、最大でも8/9にしかならない。
さらに、毎ターン違うカードが墓地に送られなければ、こいつはでかくならないのである。
1ターン目に墓地に送れる者はインスタントかソーサリー、2ターン目で無理矢理クリーチャーを殺さない限り、こいつは2マナ1/2という《従者/Squire》位の存在として戦場に出る。
その後も、クリーチャーやアーティファクトぐらいは生け贄にできるものがあるだろうが、土地やエンチャント等は相手の物を破壊するか、自分の物を破壊してもらわなければ墓地には行けない。
部族は未来予知の時点では1枚しか存在せず、それ1枚きりになるかもしれない。
プレインズウォーカーに至ってはこいつの注釈文にしか出ていない。
もし出たとしてもストーリーファン向けの実用性に欠けるカードになるだろう。
つまり、ゲーム終盤でも3/4~4/5がせいぜい。
可能性はあるが、使うと今一のハズレアになる筈だった。
このクリーチャーの強い点
このカードを蒸気打ちの親分と同じネタカードと思っていたプレイヤーは忘れていた。
MTGには、簡単に墓地における土地・フェッチランドが存在する事を。
こいつは自分を生贄に捧げる事で好きな基本土地タイプを持ってこられるカードであり、
エクステンデッド(当時)やモダン・レガシーでは定番カード。
すなわち、1ターン目にフェッチを墓地送りにし、1マナのインスタントやソーサリーでも唱えればこいつは2マナ2/3の熊を超えるクリーチャーとして戦場に出る。
次ターンで上記2つの内唱えなかった方を唱え、クリーチャーにチャンプブロックでもさせておけば、3ターン目に3/4~4/5のクリーチャーが立っている。
新カード・タイプの部族とプレインズウォーカーは、いずれも墓地に送りやすかった。
そして《小悪疫/Smallpox》や復活した「発掘」能力など、
この頃のエクステンデッドには好きなカードを墓地に送る手段も豊富であった。
つまり、ものすごい勢いで巨大化する熊+αが、2マナで出せる。
これがいかに強力であるか、MTGプレイヤーならお分かりだろう。
除去耐性はないが、今までにないタイプのカードが墓地に置かれると直ちに巨大化する為、火力やマイナス修正に若干の耐性がある。
例えば墓地にインスタントがない状態で1/2のタルモゴイフに《ショック/Shock》を撃っても、解決するときには2/3になっているため死なないのである。
さらに、墓地のカードを掃除しても0/1なので場に残る上、他のルアゴイフと違って太り直すのにあまり時間がかからない。つまり、ルアゴイフたちが苦手としていた墓地対策にも強い。
かくして、このカードはシンデレラクリーチャーとして様々なデッキで活躍し、
一時2万円を超えた高額カードになった。
回避能力や除去耐性もない、パワーとタフネスが変わるだけのクリーチャーがここまで値上がりするのは、異例中の異例といえる。
そして、コンボやネタカード大好きプレイヤーは第二のタルモゴイフを探して今日も多元宇宙を彷徨うのである。
弱点
前述の通り、パワー・タフネス以外何も能力を持っていない。
回避能力や除去耐性もない為、直接破壊するカードやチャンプブロックには弱い。
前述の通り、このカードの強さは「土地がすぐに墓地に送れる」環境で発揮される為、フェッチランドが少ない環境(時のらせんブロック構築や、当時のスタンダード)では運用に工夫が必要。
そして、各フォーマットで唯一「モミール・ベーシック」では、2マナ1/2になってしまう。
関連タグ
蒸気打ちの親分 未来のテキストが書かれたと思ったら、銀枠世界の未来だった同期。
死の影:「黒いタルモゴイフ」と言われた黒のシンデレラクリーチャー。