概要
うめざわしゅんによる日本の漫画作品。『月刊アフタヌーン』(講談社)にて、2020年8月号より連載。アメリカを舞台に、人間とチンパンジーの間から誕生した「ヒューマンジー」の少年を描いた物語。
2021年12月9日に発売された『このマンガがすごい!2022』(宝島社)では、オトコ編10位を獲得。
2022年1月、日本出版販売による「全国書店員が選んだおすすめコミック 2022」の「出版社のコミック編集・販売担当者より『悔しいけどおもしろい他社作品』を募った」スピンオフ企画「出版社コミック担当が選んだおすすめコミック 2022」にて、2位を獲得。同年3月13日発表の「第25回文化庁メディア芸術祭」マンガ部門で優秀賞を受賞。
2024年にアニメ化が発表された。
あらすじ
テロ組織「動物解放同盟(ALA)」が生物科学研究所を襲撃した際、妊娠しているメスのチンパンジーが保護された。
彼女から生まれたのは、半分ヒトで半分チンパンジーの「ヒューマンジー」チャーリーだった。
チャーリーは人間の両親のもとで15年育てられ、高校に入学することに。
そこでチャーリーは、頭脳明晰だが「陰キャ」と揶揄されるルーシーと出会う。
「テロ」「炎上」「差別」……ヒトが抱える問題に、「ヒト以外」のチャーリーが、ルーシーとともに向き合うヒューマン&ノン・ヒューマンドラマ。(公式より)
登場人物
- チャーリー
本作の主人公。猿に近い風貌をしているが体毛の量は人間に近い。人間の父親とチンパンジーの母親の間に生まれた「ヒューマンジー」で、15歳の少年。人間の両親に引き取られ彼らの愛情を受けながら育った。アメリカ中西部、ミズーリ州在住。
- ルーシー
頭脳明晰だが、コミュニケーションが苦手な少女。チャーリーと出会い、交流を深めていく。
余談
実は、嘗てソビエト連邦において本作と同じく人間とチンパンジーの交配という禁忌の実験を実行しようとしたマッドサイエンティストがいた。その科学者の名はイリヤ・イワノビッチ・イワノフ。彼は人間の男性とメスのチンパンジーの交配を試みたが失敗、今度は人間の女性とオスのチンパンジーの交配を試みたがこちらも失敗に終わった。
「ヒューマンジー」という名前も元々彼が名付け親である。ちなみに人間とチンパンジーは染色体の数が違う為雑種が生まれない。当時は染色体数に関する研究が現在よりも進んでいなかったこともあり、このような実験が行われたのもそれが原因と思われる。
関連タグ
寄生獣:同じく『月刊アフタヌーン』で連載された漫画。こちらも異種族と人間の共存について描いており、「令和の『寄生獣』」と評する声も多い。
オリバー君:こちらも嘗て「ヒューマンジー」として注目されたが、彼は生物学的には一応ちゃんとしたチンパンジーである。