概要
CV:伊瀬茉莉也
軍事国家として名高いガルクハイン国の第二皇子である。アルノルトにとっては母親違いの弟である。兄とは同じ城には住んではいるが、顔を合わせることは少ない。確執があるとの噂があるが…。
プロフィール
人物
容姿
黒髪に青い瞳をしている。この容姿は父親・異母兄・異母妹にも共通する特徴である。ただ、髪はふわふわと跳ねた癖毛で、瞳の色が異母兄よりも濃い。また、背の高さは義姉よりも高い。
能力
実は内政能力は高く、幼い頃から貧民街への支援を積極的に行っている。一方で剣術は作中において一般人に劣るほど弱い。その理由としては、運動嫌い、力を入れること嫌い、握力弱い、スポーツ嫌い、といったものがあるが、根本的に他人に武器を向けるのが訓練であっても怖いためである。
経歴
本編開始前まで
ガルクハイン国の皇帝とかつて隆盛を誇った国の王女との間に生まれる。(母親はすでに他界している。)幼い頃から、定期的に貧民街に赴いていた。異母兄とは同じ城に居住しているが、顔を合わせることは少なく、会話を交わすことも数えるほどしかない。異母妹や父親に至っては会ったこともない。(食事も別々で支度するだけでも大変だと城の侍女達が話している。)戦争時には救護所で支援に当たっていた。2年ほど前から公務を放り出すことが多くなったようだが…。
過去6度の未来において
ガルクハイン国に入国できなかったこともあり、皇帝の弟にもかかわらず、リーシェは彼の名前を聞くことはなかった。
本編での動向
初登場時にアルノルトとリーシェが参加した夜会を遠くから眺めていた。その後、リーシェには薬草畑で寝転がり、接触を図っている。加えて、彼女に対して異母兄の名を騙り、城内の礼拝堂に呼び出している。その時の異母兄の反応で何かを確信し、自らの手駒である2人を使い、誘拐させた。異母兄が誘拐騒ぎにより自分に会いに来たことで、次期皇帝の座を要求する。
しかし、リーシェがテオドールからの命令だと納得ずくで誘拐されていたため、鍵付きの部屋に閉じ込めたものの脱出を許してしまう。その際に彼女を傷つけることのないように命じていたため、脱出した彼女に監禁の指南までされてしまった。その時に自分を誘拐した目的を彼女に尋ねられるが…。
関連動画
声優による朗読
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以下ネタバレ注意
騒動後の決着まで
本質
その本質は異母兄に強烈な憧れを抱く所謂ブラコンである。その為、異母兄の振るまい(座るときのポーズなど)を真似ているほどである。また、本来好きなケーキは苺の生クリーム系だが、大人っぽいチョコレート系を選んで食べがちである。
以前は、異母兄弟とは基本的に顔を合わせることがない代わりに貧民街の人々は家族同然であった。その関係が変わる契機となったのが、2年前の出来事である。
当時、戦争支援として救護所にいたが、本来は国同士の取り決めで攻撃対象ではないはずだった。しかし、テオドールが活動に参加している時に夜盗に襲われてしまう。そこで狙われたのが貧民街出身の重傷者だった。とっさに飛び出し死を覚悟するが、駆けつけた異母兄により命を救われる。その際に次からは命を張るような真似は止めるよう忠告されたが、臣下を護ろうとしたことは「とっさに護るために動けたことは、お前の誇りにするといい」と異母兄に評価された。異母兄が自分をずっと見てくれていたことに嬉しくなったが、彼の行動を見るに付け、ある危惧を抱くようになっていった。そのため、公務をほとんど行わなくなり、貧民街への支援も公費でなく私財を使用している。また、リーシェに後述の真意を見抜かれた際に「受け入れてもらえないなら殺された方がまし」と言い放っている。加えて、異母兄に対しては演技としてことさら悪辣に振る舞っている。
異母兄が婚約者を連れて帰ってくると聞いたときは、単なる人質の為の婚姻だと考えていたが、彼女のために心を砕く彼を見て本心から婚姻を望んでいると確信した。リーシェの薬草畑を荒らしたのは、彼女への嫉妬である。
また、異母兄に仕えているオリヴァーに対しても嫉妬の感情を抱いている。
真意
誘拐事件を起こしたのは、『皇位の簒奪を企てた者として、大罪人の汚名を被る』ことである。テオドールは異母兄の細々とした改革が立案者を伏せられていること、他国に不自然に悪評が広まっていることからある考えに行き着く。
兄上は自身の未来を切り捨てるつもりではないか。
それを防ぐため、自身は皇位に興味のない皇子として振るまい、表舞台に立たないようにしてきた。リーシェは過去の未来においても、そのように振る舞っていたと推測している。ただし、5年後にアルノルトが皇帝となっていることを考えると、兄への反逆で罰を受け、最悪の場合命を落としたのではないか…。
決着
テオドールが部屋を飛び出した後、アルノルトも「弟には、俺のような人間に関わらせるべきではなかった」と考えていたことがわかり、リーシェはある忠告をしている。
「テオドール殿下がいなくなる、そんな未来だって起こりえるのです」
その後彼に追いついたリーシェは上述の真意を聞いている。また、アルノルトがこれから起こそうとしている途方もないことを止めるために協力を要請した。
「あなたは彼の、世界のひとりきりの弟でしょう」
だが、そこでテオドールは兄上の役に立つためとして身を投げようとする。ここで数日睡眠不足だったリーシェに限界が来てしまい、助けられないと思われたが、アルノルトが彼を引き上げた。そこで自身のとった行動を責められるが、異母兄と対話し、彼が自分の憧れであり、彼の役に立ちたいと願っていることをようやく伝えることができた。そこで救護所での出来事をずっと異母兄が覚えていたことを知り、涙した。直後にリーシェが倒れた際に彼に頼られたときは嬉しそうにしていた。
騒動後について
人間関係
義姉とは、協力関係となっており、異母兄の情報を提供する、貧民街の人々を貸すなど良好な関係を築いている。また、異母兄とも共同で政策を行うなど、こちらも良好な関係となった。しかし、憧れが強いせいか、直接言葉を掛けられると挙動不審になっている。加えて、リーシェの男装がばれるきっかけとなったのが、自分が推薦した人物を気に掛けてということがわかると、うれしさのあまり、顔を覆ってしまった。また、異母兄のどんな表情も見てみたいという感情(リーシェの言うところの「斜め上の思慕」)も健在である。
臣下について
長年の貧民街への支援から、彼らからの信頼は非常に高い。その為、貧民街出身者を臣下として数多く雇用している。犯罪者紛いの者もいるらしく、リーシェからは「彼らを臣下に加えることで犯罪に走らないようにしている」と言われている。とても優秀であり、罠の解除・情報収集・荒事に長けている者が多い。ミシェルによる企みを潰すのに大いに役立っている。因みに、彼らを育て上げた理由は、「異母兄の情報を速やかに伝達するため」である。
公務について
これまで異母兄がしていた業務を一部引き継いでいる。また、貧民街に関係するものの一つとして、リーシェが考案した爪紅も担当しており、ケイン・タリーと折衝するようになった。