概要
- 種族 神霊
- 二つ名 我名を探す名付け親
- 能力 黒魔術を使う程度の能力・知識が集まる程度の能力
時は戦国、豊臣氏による天下統一が成される少し前。豊臣氏に最後まで抵抗した北条家と、その部下の忍者、風魔。風魔は圧倒的不利な戦況を覆す秘策を持っていた。
「魔宝」。今はゲーティアとかレメゲトンと呼ばれる魔の本。
北条氏の「家紋」。シェルピンスキーのギャスケットとかトライフォースとも呼ばれる紋様。
この二つは相性が良く、家紋の中央の逆三角形を拡大することで得られる六芒星。これを魔法陣にすることで、魔本から悪魔を召喚できるのである。
しかもトライフォ北条の家紋は、夏の大三角とや座・こぎつね座・いるか座を結ぶことで得られ、そこから得られる六芒星を魔法陣にすれば、星の力を身に着けた強大な悪魔をも召喚できる。
風魔はこの秘策のため、星々に力を集める七夕を待っていた。
しかし七夕の到来より早く北条氏の降伏・滅亡により、決戦の幕が閉じてしまった。
風魔の頭領は、封印の解放という意思(と禰津の制御)を託した魔宝に封印と隠蔽を施し、歴史の舞台から姿を消した。
やがて願いと魔宝、二つの力が交錯し、1体の神霊が生まれた。名前の無い神霊は、脳裏をよぎる「フーマ」という文字を名前に使うことにした。そして魔宝から召喚できる72の悪魔の、知られざる73体目。巷で流行っている都市伝説による武装の流行にあやかり、自らも73体目の悪魔と同じ名を名乗ることにした。
時は経ち、彼女の元を一匹の妖狐が訪ねてきた。
「一族の成せなかった悪魔の大召喚、今こそ成して風魔を再興べきだ。」
説得を受けたフーマは主の意思や、世が戦禍を望んでいないことを悟り、禰津の計略に乗せられたフリをし、禰津を再度、今度は完全に封印する儀式を始めた。
(儀式の最中に人間の邪魔さえ入らなければ、封印の儀式は完遂していた)。
フーマの魔力に誘われ、他流派の忍者の末裔達が接近しているらしい事が分かった。
――星明かりの下、彼女は目線を上げた。
ふうと息をつき、古く分厚い書物を一息に閉じた。
巻き起こる超自然の魔法の風。一薙ぎにされた周囲の松明は、消えるどころかより旺盛に、不吉なゆらめきを増して燃え盛った。
瞳を一杯に開き、魔力を帯びた七夕星を見上げ――
彼女は願いを唱えた。
「その忍者達の中に、友となれる者が居れば良いな。」