概要
統合多用途/将来垂直離着陸輸送機(JMR/FVL)計画の一環として、現在運用されている汎用ヘリコプターUH-60の後継機として開発が進んでいるティルトローター機。
V-22と比較されるが、あちらがCH-46の代替として設計されたのに対し、こちらはUH-60であるため胴体のサイズがひと回り小さく、定員は乗員4名+兵員14名となっている。
その他エンジンではなくローター回転面だけを偏向する点、両翼が一直線でドライブシャフトにギアボックスを挟まなくて良い点、艦載のための折りたたみ機構を設けなくて良い点により構造が簡素になっており、空虚重量は6t以上軽くなっている。
一方で搭載エンジンは同じもの、ローター直径もほぼ変わらないため、出力重量比や回転面荷重が向上しており、ヘリモードでの運動性能がV-22よりも優れている。
UHの後継ということで大型のサイドドアからの乗降を想定しており、エンジンを固定したのも排気を真下に向けないためとのこと。後部ランプは設けられていないため貨物搭載力は限定的だが、少なくとも4.5tのM777榴弾砲を吊り下げられることが公表されている。
なお艦載のための機構を設けていないと上述したが、艦載機としての需要に興味が無いわけでもなく、折り畳み機構を備えた海兵隊仕様のモデルが公開されている。
またJMR/FVLの攻撃ヘリ枠にも目を向けており、武装化の構想もある。