概要
アメリカの中国系二世であり、1948年のロンドン・オリンピックで.22口径のラピッドファイア部門で銅メダルを取った他、ジョン・ウェインやロイ・ロジャースといった映画スターに射撃を教えた経験もあり、ピストル射撃においても37の世界記録を持っているスポーツシューターボブ・チャウが手掛けたカスタムガン。
米国在住の元日本人スポーツシューターであり、ガンフォトグラファーの永田一郎氏が銃の修理の為にボブチャウの店に訪れた際に見かけた他にはないM1911のカスタムガンに魅せられ、1981年10月号の月刊Gun誌にて「その全く光らない、真っ黒な野獣のなりふりかまわぬ獰猛な姿に私は魅せられた」という謳い文句で掲載された記事は中高年問わず日本のガンマニアに多くの反響を呼び、瞬く間に有名なカスタムガンとなった。
最も有名なモデルは件の永田一郎氏が射撃大会で優勝した際にナショナルマッチとMk.IVをベースに制作されたコンバットキャリーガンで衣服への引っ掛かりを無くすために徹底的に角が溶接され丸くなっており、BROWNE&PHARR社のベルトクリップが装着されグリップの前面部とトリガーガード前方には鱗のようなステッピング加工が施してあるのが特徴。
実はこの銃、日本で非常に知名度が高いが本国アメリカでは全く知られていなかったりする。
大前提として個人用ワンオフ品のカスタム品であるため知名度の上がりようがないことや、そもそもボブチャウはマッチカスタム、つまりはレースガンを基本としておりコンバットカスタムは世界に僅か数丁しか制作されていないからである。
しかし、ネットが発達した現在では海外のスレッドでごく少数ながら現在もボブチャウカスタムを所持している人物が複数解っており、リボルバーのPCCカスタムも行っていたことが解っている。
その他に知られているものとしてボブチャウスペシャルIIと呼ばれる5インチスライドに7インチバレルがはみ出した形のカスタムガンも制作されているが、こちらは完全なマッチカスタムとなっている。
遊戯銃
もっとも有名なのはやはり上記に挙げた永田一郎氏のカスタムガンであるためかMGCやBWCではモデルガン、WAではガスブローバックガンとして商品化の機会に恵まれている。
またスペシャルIIもWAによってガスブローバックガンとして商品化されている。