概要
プレイヤーは「魔法は管理されるべき」という教条を持つ学派《大法典》(コーデックス)の魔法使いとなり、《分科会》というパーティーを組んで人に害をなす悪の魔道書「禁書」(ベイン)の回収を目指す。禁書はその題名の単語の数の「断章」(フラグメント)に分かれて何か(特に「愚者」(魔法を使えない人))に憑依しており、それを調査判定によってGMからハンドアウトをもらう形で居場所を特定し、別のシーンで断章や敵対NPCらと戦いを挑むことになる。
魔法使いはその出自や役割によって、
魔法戦闘の達人である「書警」、支援に長けた「司書」、魔道書のメンテナンスを行う「書工」、
魔法に目覚めた一般人「訪問者」、協力的な怪物の「異端者」、魔法使いに隷属する魔道書「外典」
のいずれかの経歴に属し、経歴によって使える魔法が異なる。
更に、2巻ルールで追加された『機関』(大法典の自治組織)に所属することによって所属機関による恩恵と義務が発生する。
サイコロ・フィクションのため、進行はシーン制であり、同一サイクル内では1人のPCは1シーンしか行動できない。規定サイクル数を過ぎると強制的にラスボス戦に突入。この時点で断章を集めきっていないと禁書が手強くなるのでメインフェイズは考えて動こう。
このゲームの売りの一つが「鬱展開自動生成システム」。
この世界において魔法使いは不老不死やらなんやらと世界を改変する力を持つ。世界の条理を捻じ曲げて存在してるため、「世界」から拒絶されている。その拒絶に抗うため、魔法使いは愚者と「運命」(人間関係)を交わし、認識してもらう事で世界にとどまっていられるのだが・・・
(魔法使いが自らに何かあった時に助力を得る代わりに願い事を叶えるという「運命」を交わした相手を「アンカー」という。アンカーは愚者だけとは限らない。世界からの阻害を跳ね除けるために愚者のアンカーが必要なのだ。)
アンカーは絶えず『運命転変』という災厄に狙われている。契約している魔法使いが何かヘマをすると、そのツケがアンカーに振りかかるのだ。
たとえば、シーン開始時にGMが振る2d6によってシーンの場面が決定するのだが、この時に7が出ると『魔法災厄』が発生。それを食い止めるにはランダムで選ばれた特技の判定に成功する必要があり、失敗すると運命変転がアンカーを襲う。また、魔法戦で死亡した際に行う蘇生判定に失敗したりしても運命変転が起きる。『運命転変表』から1d6を振って出た目の災厄がアンカーに起きる。そして同一セッション内で同じ運命転変が2度起きたアンカーは死亡する。アンカーが死亡した魔法使いはそれが『疵』(スカー)というトラウマになってペナルティーを受ける。運命の力を使い果たした状態で死んだり、全てのアンカーを失ったり、全ての魔法が使えなくなった魔法使いは世界から存在を消される。
この運命変転表にはいくつかバリエーションがあり、中にはコミカルなものもあるよ。
ちなみに、ファンブルの場合はこれとは別に「ファンブル表」が用意されている。こちらも厄介なペナルティ揃いである。
装備以外の魔法を使うには『魔素』というものが必要で、これを指定された数だけ消費した上で成功判定を行う。魔素は6属性あり、魔法毎に存在する上限付きのストックのスロットに溜めて行く。
戦闘は「魔法戦」と呼ばれる。代表同士による原則1対1(ラスボスである禁書戦ではPC側はターン毎に交替しながら戦闘を行う)である。召喚魔法やデバフや攻撃魔法が飛び交うが、その中心となるのはGMとPLの数字当て合戦。
攻撃側は攻撃の値だけ、防御側は防御の値だけサイコロをもらい、1から6の数字を任意で選び(これを「プロット」という)(断章はサイコロを振ってのランダムプロット)、同時に公開する。そして同じ数字を1対1で除去した後に残った攻撃側のサイコロの数が防御側が受けるダメージになる。このプロットは元型(召喚獣みたいなもの)のブーストやら、運命の力を借りる『契約』(コントラクト)やらで振り足せるし、防御の場合には仲間が立会人となってる場合はその仲間1人につき1つの防御ダイスが与えられるので、呪圏(魔法戦のフィールド)は場合によっては数多くのサイコロが乱れ飛ぶことになる。ちなみに、防御プロットは相談不可能であり、防御に使われずに残った防御ダイスは受け渡し不可能な魔素になるため、立会人が欲しい魔素を採ろうとしたためダメージを防ぎきれなかったというのはよくある話(当然、立会人も1ダメージを食らう)。
これに加えて複数の魔法の組み合わせによる戦術も楽しみどころ。