語源はラテン語で「遅延」を意味する「mora」。
本来は災害、戦争、恐慌などの非常事態に際し、政府公認の下で借金の返済を延長してもらえることを指す(そのような状況で無理に債務履行を迫ると、金融上の混乱が生じるため)。
精神分析学者エリク・エリクソンはこれを転じて、学生などの若者を「社会人としての責任を免除されている猶予期間」と定義した。
自分は何者かを定義し、どのように生きていくかを決めるのに必要な期間とされている。
日本においては、医学者の小此木啓吾が留年を繰り返したり、フリーターなどで正規雇用に就かないまま過ごす若者を「モラトリアムを延長している」と批判的に評したことから、「いいかげんな若者」を指して使われることが多い。