概要
オオクニヌシの最初の妃神で、『先代旧事本紀』では稲羽之八上比売/稲羽八上姫(いなばのやがみひめ)と表記され、同訓で八上姫と書かれる事もある。また八上媛命/八上姫命/八上比売命(やがみひめのみこと)と呼ばれる事もある。
説話によれば、オオクニヌシの大勢の兄弟神たち(八十神)が求婚する為に因幡国の国で暮していた彼女の下に訪れた際に、オオクニヌシを荷物持ちの従者のように扱う心根の醜い兄弟神たちを嫌い、彼らの求婚を拒んで心優しいオオクニヌシを夫として選んだ。
しかしその事を妬んだ兄弟神たちの謀略により二度に渡って命を落としたオオクニヌシだったが、母親のサシクニワカヒメなどに救われたオオクニヌシは根之堅洲国へと逃れ、そこで受けたスサノオの試練を見事に乗り越え、彼の娘であるスセリビメを娶り、兄弟神たちを見事に平定する。
その後、オオクニヌシはヤカミヒメを宮殿へと迎え入れられ、彼との間にキマタという名の子供を授かるが、既に正妻となっていたスセリビメの嫉妬を恐れた彼女は、生まれたばかりのキマタを木の股に挟んで故郷の因幡へと帰っていったとされている。