概要
『宇宙戦艦ヤマト2199』の音楽を手掛けている、作曲家の宮川彬良氏が手掛けたオリジナル曲の1つ。大元はヤマトの主題歌の曲であるが、それを宮川彬良氏が独自にアレンジを加えた。ヤマトが戦闘の渦中にある様子を表現した、非常に躍動感かつ迫力のある曲調に仕上がっている。また宮川氏によれば、「剣の舞をイメージして作曲した」とのこと。
こういったテーマ曲のアレンジは、過去のヤマトシリーズにおいても度々に見られている。父親の故宮川泰氏が手掛けた『未知なる空間を進むヤマト』も同様で、非常にリズミカルで躍動感があるため、出だしこそテーマ曲と分かりにくいが、その直後からはテーマ曲を基幹にしていることが窺える。なお宮川泰氏は、テーマ曲を基幹として、非常に多くの派生曲を生み出しているのが特徴の一つとも言え、よくよく吟味すると、テーマ曲が大元になっているのが窺える。
使用例
『2199』
初めて使用されたのは木星での浮遊大陸の遭遇戦であった。ヤマトの戦闘のお披露目と相まって、『ヤマト渦中へ』という曲は、多くの視聴者に対して強い印象を与えた名曲と言っても過言ではない。時には、冥王星でヤマトが攻撃を受けた時にも使用されたりもしたが、大半は反撃の時や決戦の時に使用される事が多く、その時その時の場面を大いに盛り上げている。
トドメを刺したりする時に多用される確率が多い為、視聴者やファンの間からは、処刑用BGMと呼ばれることもある。
使用例
- 木星の浮遊大陸にて「テロン(地球)の艦はこちらの装甲を貫くことができない」と慢心していたサレルヤ・ラーレタの艦隊をショックカノンでボコボコにするシーン
- 冥王星基地に対して全砲門を使用した対地攻撃をするシーン。なお、この砲撃で損傷した艦艇が惑星間弾道弾にぶつかったせいで冥王星基地はほとんどの艦隊を巻き込んで盛大に連鎖爆発。残存艦艇もシュルツの乗る旗艦を残して全滅するという大損害を被る。
- デスラー暗殺に託けたクーデターを企てるためバラン星にて開催されたガミラス艦隊の観艦式にヤマトが殴り込むシーン。観艦式のため密集隊形をとっていたガミラス艦隊は碌な反撃ができず、ヤマトにとっては「適当に撃っても当たる」という独壇場だった。ちなみに前半は『ヤマト渦中へ』で、後半は『元祖ヤマトのテーマ』という豪華処刑用BGM二本立てである。
- 七色星団海戦終盤、除去に成功したドリルミサイルを主砲で狙撃するシーン。ここの南部が言い放った「まかせろ、俺は大砲屋だ!」は何気に名台詞。「大砲屋」南部の狙撃は命中し、ドメル艦隊に向かっていドリルミサイルは『ダロルド』を巻き込んで大爆発。後続するドメル艦隊は隊列を崩し、空母『シュデルグ』は爆炎を回避できず誘爆。なんとか回避した空母『ランベア』は反撃しようとするもヤマトの砲撃で大破し星間ガスの中へ沈没。最後に残った『ドメラーズⅢ世』とヤマトの熾烈なタイマン対決が行われる。
『星巡る方舟』
劇場版『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』では、ガトランティスとの初戦に『降下するヤマト』という曲名で演奏されている。カッパドギアの攻防戦で流れており、原曲である『ヤマト渦中へ』とは微妙に曲調が異なっているのが特徴の一つと、もう一つは戦闘シーンに合わせた為か元の倍近い時間で流れている。
『2202』
惑星シュトラバーゼでヤマトと第11番惑星避難民を満載したガミラス艦隊を襲撃した道士率いるゼルグード級をボッコボコにする際に使用されているほか、アレンジである『降下するヤマト』がガトランティスの本拠地である彗星都市帝国に突入するヤマトを援護するガミラス艦隊の戦闘テーマとして使用されている。
『2205』
後章『STASHA』冒頭にて、イスカンダルとガミラス難民救援のため駆けつけたヤマト率いる第65護衛隊の突入時、ならびにヤマトが全砲門を指向させた一斉射の際に使用された。
俗称
2012年に宮川彬良氏が行った宇宙戦艦ヤマト2199の音楽コンサートでは、『俗称、ブンチャカヤマト!』と本人自らが発言している。
派生曲
『ヤマト渦中へ』の派生曲として『帝都防衛戦』と呼ばれる曲も誕生している。こちらは第23話にのみ流れた音楽である。後の劇場作品『星巡る方舟』でも、『大決戦-ヤマト・ガミラス・ガトランティス-』の中にも組み込まれており、最初に帝都防衛戦⇒ガミラス国家(アレンジ版)⇒帝都防衛戦⇒ガトランティスという組み合わせと流れを作っている。