ユーノ(YU-NO)
ゆーの
『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』の最重要人物。
たくやとセーレスの娘で、物語の序盤に登場する謎の少女の正体。
名前の由来は"You Know?"。
異世界「デラ=グラント」人の特性で心身ともに成長が早く、生後3年で地球人換算で約12歳、それから半年で18~20歳くらいの成体となる。ただし、成長後も子供っぽいところは若干残っており、一人称は「ユーノ」(成長後はたまに「私」も使う)。
父親と共に帝都へ向かう道中に立ち寄った神殿で帝都の兵士たちに連れ去られた後、巫女として祭り上げられた挙句に洗脳を施され、当初はたくやの事すら覚えていなかった。
その後、洗脳は解かれるが、事象の衝突により世界が滅びるのを回避する為にグランティアとシンクロする儀式に身を委ねる事となる。
母の精神とは半ばリンク状態であり、セーレスの死後もその精神がユーノの精神と同化・共生している模様。
そのせいか、幼少期から実父であるたくやにはっきりと恋愛感情を抱いている。
儀式の前夜、たくやに頼み込み彼と結ばれる。
立ち位置上は間違いなく本作のメインヒロインなのだが、メディアミックス展開などでは出番が激減したり、洗脳が解けないままだったりとどうも扱いが悪い。
これには以下の理由が考えられる。
1.出番が遅すぎる。
ユーノの出番(というか誕生)は後半の異世界編から。しかも成長後の登場は終盤とあまりにも遅すぎる。
彼女の登場前にフルリメイク版のコミカライズが打ち切りになって実質出番ゼロになったことも……。
2.事実上のバッドエンド。
ネタバレになるが、ユーノはデラ=グラントを救うことに失敗(もともと成功率は限りなく低かった)。
故郷は滅び、生き残ったユーノもシンクロの影響か事象をさまよう神や精霊のような存在となり、愛するたくやと共に「この世の果て」に旅立つという結末となる(最序盤に登場したのはこの時のユーノ。ただし、たくやは一緒でないという違いがある)。
悲壮感はあまりないものの、実年齢4歳足らずの少女が背負うには過酷すぎる末路である。恋人がそばにいることがせめてもの救いか。
※そのため、小説版(18禁)のラストは作者の意向で、原作とは逆にデラ=グラントを救うことに成功し、迎えに来たたくやと共に故郷に帰るというハッピーエンドに改編されている。
なお、小説版ではたくやと結ばれて以降は彼の呼び名を「パパ」から「たくや」に変えたりと、より異性として意識したりと珍しく優遇されている。
3.近親相姦ネタになってしまう。
おそらく一番の原因。
血のつながらない義理の親子ならまだしも、たくやとは紛れもなく血のつながった実の親子であり、特にその手の規制が厳しくなってきた昨今では、原作そのままでは倫理規定的にアウトとなってしまう(もちろん、当時としてもギリギリヤバかったが)。
その一方で、キーパーソンのため(上記の打ち切りでもない限りは)出番を完全にカットするわけにもいかず、コンシュマー版やTVアニメ版(※)のようにそういった描写を描かないかボカすくらいしか対処方法はない。
※ただし、TVアニメ版BD特典の26.5話では別のヒロインたちと結ばれた並行世界の自分を見て鼻の下を伸ばすたくやに「ユーノというものがありながら!」とヤキモチを焼いていたので、描写していないだけでちゃんと「そういう関係」になっていたことが窺える。ちなみにユーノの中のセーレスはユーノ曰く怒ることなく寛容に受け入れていた模様。