CV:三澤紗千香
「時間を稼ぐ。少し黙ってて」
人物像
日本の新芦原市に暮らす少女。
長期間地球に潜伏し、アセイラム姫襲撃テロの実行役を担った火星側スパイ、ウォルフ・アリアーシュの娘。あまり表情豊かなタイプではなく、物静かな印象の少女。
その境遇ゆえか学校には通っていなかったようだが、トレーラーやボート、カタフラクトの操縦技能を有し、銃器の扱いにも長ける。
父やその仲間達はテロの実行後、火星騎士に取り立てられヴァース帝国へ凱旋することを望んでいたが、汚れ役であることから後始末役のトリルランに抹殺され、自身もまた目撃者として追われる身となってしまう。
トリルランに追い立てられていたところを界塚ユキに救助され、界塚伊奈帆の分析に基づくニロケラス撃退作戦に運転役として志願。父の仇を取るべく伊奈帆たちに協力するが、その際に共に行動した少女・セラムが、父が殺そうとしたアセイラム本人である事を知る。
伊奈帆と共にアセイラムの生存を知る人間として自ら口を噤む一方、母国に裏切られたスパイの一員であるという複雑な身の上から、誰とも打ち解けられず次第に孤立していく。
そんな中で、飛行戦艦デューカリオンを起動させる為、連合軍の面々を前に自らの素性を明かし受け容れられたアセイラムに対する嫉妬を募らせ、ついには半ば正気を失った状態で彼女を手にかけるという凶行に及んだ。さらには駆けつけたダルザナから銃を奪い、伊奈帆の尽力によって一命を取り留めたアセイラムになおも銃口を向ける。
しかし予想もしなかったアセイラムからの謝罪と後悔の言葉、無抵抗な態度に動揺し、敵意を喪失。自決を図るが伊奈帆に取り押さえられ、改めて行動の選択を委ねられる。身柄を拘束され、ロシアまでの道中を軟禁されて過ごすことになったものの、長く身を潜めて暮らしていたためかそれすら天国に喩えてみせた。
殺そうとした人間に許され、また伊奈帆に自ら行動の選択を委ねられた事もあり、自らが欲した「居場所」を見つけたことで、その表情は幾分か和らいだものになる。デューカリオンがロシア基地に到着した後も反省房に収監されていたが、アセイラム暗殺の黒幕であるザーツバルムの襲撃に際してアレイオンに機乗し、揚陸城から迫る敵勢力を迎え撃った。
ロシアでの作戦の後はアレイオンの操縦士としてデューカリオンに乗艦。伊奈帆の負傷によって空位となった「マスタング2-2」のコールサインを受け継ぎ(伊奈帆はその後新たに「マスタング0-0」のコールサインを得ている)、網文韻子と共に兵士として銃を取る。
韻子やニーナと深い信頼で結ばれる一方、その身の上故に他の部隊の人間からは快く思われていない部分もあるが、本人はそれに対する不快感を顕にすることはしない。
火星出身者でありながらかつての同胞と戦うことになるその様はスレインにも通じるものを持つ。