ラスタファリ運動 またはラスタファリアニズムとも呼ぶ。
ジャマイカの労働者層から発生しキリスト教の聖書をベースとしているが特定である。特定の教典は存在せず、細かい解釈は人によってもかなりの差異がある。また、開祖と呼べる人物も存在しないため宗教というよりは思想運動と呼ぶべきものである。
エチオピア帝国最後の皇帝であるハイレ・セラシエ1世をジャー(キリスト)の化身と考え、菜食主義、自然志向を主な考え方とする。ハイレ・セラシエ1世を神聖視するのには理由があり、とある人物が1920年代にジャマイカで「アフリカ大陸に近いうち黒人の王が誕生する。その時こそが黒人の解放の時だ。」という主張を触れ回り、実際に1930年11月2日にハイレ・セラシエ1世が戴冠したことが理由であり、傍から見れば全くの偶然でしかないがラスタファリにおいてはこれは予言であるとされている。ラスタファリという名前自体、ハイレ・セラシエ1世が自身を「ラス・タファリ・マコンネン」と称していたことが理由であり、1960年代に彼がジャマイカを訪問した際には本人が引くくらいの勢いでジャマイカ人は熱狂的に迎え入れたという。ジャマイカに在住する黒人に多くかつてアフリカから奴隷として連行された層の子孫がいることを反映し、アフリカ回帰思考も盛り込まれているが、ハイレ・セラシエ1世が「アフリカに帰るよりもまずはジャマイカを解放せよ」
と説いたところ、どこか世捨て人的な考えを持っていたラスタファリ達が積極的に社会参加するようになったという思わぬ副作用もあったらしい。
中には自然回帰の考えからガンジャ(マリファナ)を礼参する者もいる。
ガンジャはジャマイカにおいても違法であるが、近年法律が変わり56gまでの所持なら少額の罰金で済み犯罪歴として記録される事は無くなった(参考記事)。
ゲイには否定的である。
日本でもレゲエ関係者やレゲエ・中南米事情を扱うメディアを通じて知られる所であるが、黒、赤、緑、黄色の4色の組み合わせ「ラスタカラー」のデザインの方がファッションとして先行して知られている。