概要
リングメイルとは西洋鎧の一種であり、衣服、又はレザーアーマーやキルトアーマーの表面に、金属の輪(リング)を縫い付ける事で作られた鎧。
ヨーロッパに移住してきた古代ケルト人が祖と言われており、紀元前~15世紀にかけて、チェインメイルと同様に用いられた。
輪の直径は1~3センチ。後に、ベースとなる服や革鎧を無くし、リングのみで鎖のように編み込むようにして、チェインメイルとなった……とされる。
チェインメイルの項目も参照。
なお、遺品や文書に存在を確認できないため実在が疑われている。
そのため、絵画資料の描写からの推測から生まれた架空の鎧という説もある。
誤解
なお、日本におけるコンピューターRPGが普及し始めた時期。
ゲームの攻略本・資料本などには、各種設定やアイテム、それらの説明やビジュアルが記載されていたが、当時は西洋ファンタジーはまだなじみがなく、ゲームの設定と混同され誤解を生じさせることも多かった。
この「リングメイル」に関しても「巨大なリング(輪)を、たすき掛けするようにして装着した鎧」「指輪を編み込んで鎧にしたもの」といった説明が為されており、そこから誤解が生じている。
これは、某ゲームの関連書籍にゲーム中のアイテムとして、そのような鎧が登場していたためで、これをゲーム内におけるアイテムでなく、一般的なものとして広まった……という事らしい。
なお、原因と思しきゲームの「リングメイル」は、「腕輪のような金属製の大きな輪を繋ぎ合わせた防御用アイテム」で、鎧そのものではなく、装着する事で防御力を上げるマジックアイテムのようなものとされている。
更に、添えられた挿絵では「大きな金属製の輪が、たすき掛けするような形状で組み合わさっている」事もあり、「大きな輪っかをたすき掛けする鎧=リングメイル」という誤解が深まったらしい。
他に、「魔法の指輪で、指にはめる事で鎧を着るように防御力を高めるアイテム」としてのリングメイルも存在した。
似た事例では、
:バンディッドメイル(Banded-Mail)=チェインメイルの表面に、鉄板を巻きつけ締める(バンド=Band)事で防御力を上げた鎧。
このバンディッド(Banded)を、バンディット(Bandit)=山賊と誤訳したため、「バンディッドメイル=山賊が良く用いる鎧」という誤解が生じてしまった。