概要
ルンペンとは、ボロ布を意味するドイツ語「lumpen」の音写。元々ドイツ語圏では浮浪者や悪人を指すスラングとして使われていたが、19世紀以降はカール・マルクスによって世界中にも普及することとなる。
マルクスはその書簡で「ルンペン・プロレタリアート」という語を多用した。プロレタリアート(労働者階級)のうち階級意識を持たず、そのため社会的に有用な生産をせず、階級闘争の役に立たず、更には無階級社会実現の障害となる層を指す。
マルクスは当初この言葉を外国人労働者に対して使っていたようだが、次第に富裕ニートや自分に非協力的な労働者、そしてホームレスにも多用するようになる。
やがて『資本論』が世界中で出版されると、ルンペンという言葉が「乞食をドイツ語でかっこよく言い換えたもの」という受容をされ、日本でもルンペンと言えば浮浪者を指すようになった。