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ロビー・ザ・ロボット編集

Rhythm of The Robot

SF映画の金字塔「禁断の惑星」に登場するロボット。同作のマスコットキャラクターにして、作品自体の象徴的アイコンとなっている。

その後のSF作品に登場するロボットに相当な影響を与えており、ブリキのおもちゃが世界中で売れたこともあって、誰しも一度は想像するであろうロボット像のステレオタイプとなった。

禁断の惑星という作品が今で言うSFホラーに相当するためか、無骨で一見愛嬌があるもどこか混沌とした不気味さを感じさせるデザインである。

デザイナーは、ロバート・キノシタ。

映画の当該記事も参照。


「禁断の惑星」における設定編集

惑星アルタイル4に住む、モービアス博士が設計・製造したロボット。

今は滅亡した、アルタイル4の先住民族「クレール人」の残したオーバーテクノロジーにより、自身の能力を飛躍的に倍増させたモービアスにより製造された。

人工知能を内蔵。判断能力を持つが、同時にドライなユーモアも持っている。

普段は主に、モービアス博士の生活雑務一般、および博士の助手として働いている。


アイザック・アシモフが提唱した、「ロボット三原則」に類似したシステムを有する。

すなわち、

1「人間への攻撃や殺害を禁ずる

2「人間の命令に従う

3「前記二項目に反しない限り己を守る」。

この三原則を有している事を示すため、劇中では光線銃を持たせ、人間を撃つ事を命じたシーンがあった。この時、原則の1と2のどちらにも従えない事から、ロビーは混乱する様子を見せた(後にこの点は、物語における重要な伏線となる)。


頭部はクリアパーツで覆われており、内部の機械を動かす事で、思考および人間との会話を行う。

胸部には、「物質複製装置」を内蔵。サンプルとなる物質を提供されれば、この装置を用いる事で、多数の複製を合成することが可能。劇中でも、地球から来た宇宙船のクルーにこっそり命じられ、持ち込まれた酒を酒瓶ごと合成した。しかし数量を間違え、山ができるほど多数の酒と酒瓶が複製されてしまった。

下半身は、走行用ユニットとの合体が可能。

懐かしロボット「ロビー」

ユニットは人間を乗せる事が可能で、ロビーは運転手として機能する。

また、ユニット上で頭部を半回転させ、乗っている人間と対面しての会話も可能。

186の地球言語および、ほとんどの方言を話す事が可能。


動画編集


「禁断の惑星」の後編集

デビュー作となる「禁断の惑星」以後は、「ロビー・ザ・ロボット」という独立したキャラクターとして、様々な作品に出演することになる。

※当然ながら、これらに登場するロビーの設定は「禁断の惑星」のそれとは異なるものである。


「禁断の惑星」の後、1957年公開「宇宙への冒険(原題:THE INVISIBLE BOY)」に出演。世界征服を企むコンピューターの端末となり、軍と戦っていた。

その後、多数の作品にゲスト出演する(刑事コロンボアダムスファミリートワイライトゾーン、影なき男。その他日本未公開作品にも多数出演)。


「トワイライトゾーン」には、四つのエピソードに登場。この際には、改造されたスーツで登場したり、ヘッドのみが登場したりといった、変則的な登場もあった。


1974年二月には、「刑事コロンボ」の一エピソード、「愛情の計算」に登場。劇中の舞台となるシンクタンクにて、オリジナルとほぼ同じ姿で登場した。

シンクタンクに在籍する天才少年、スティーブン・スペルバーグが開発したロボット『MM7』」という設定。普段はシンクタンク内で、スペルバーグ少年の仕事の補佐などを行っている。劇中では、殺人事件のアリバイ作りのために、犯人に利用された。

事件を捜査するコロンボとも言葉を交わし、彼の愛犬・ドッグの散歩も行っている。


1984年、「グレムリン」劇中でも、発明家のコンペンション会場にて。その背景に登場している。

他にも、多数の作品に登場。

中には、「シャーロック・ホームズの全データをインプットされ、自身をホームズと思い込み、ホームズの帽子とケープをまとい活躍する推理コメディ」といった作品も存在する。


日本国内の作品でも、「野獣死すべし」「暗黒街の顔役」といった映画にて、ロビーのブリキ玩具が劇中に登場する。


余談編集

ロボットとしてのキャラクターとデザインから、後年の映画および他媒体の作品における、多くのロボットキャラクターのデザインに、影響を与えている。

「宇宙家族ロビンソン」に登場のロボット「フライデー」は、ロビーと同じくロバート・キノシタ氏がデザインしている。


また、玩具メーカー「増田屋コーポレーション」により製造・販売されたロビーのゼンマイロボット玩具は、人気を博し、国内外でヒットを飛ばした。


増田屋は後年(1983年)にも、コレクター向けに11cmのロビーのゼンマイロボットを復刻。フライデーやアンティークロボット「R-35」などの復刻版とともに、同サイズで発売した。


1982年、バンダイからは「Dr.スランプアラレちゃん」のプラモデルのシリーズより、ロビーアラレが発売された。

則巻アラレが、ロビーのコスプレをしている」というキットで、ロビーの頭部内部にアラレの頭部が入っており、クリアパーツごしにアラレの頭部が覗いている。

この点と指定色を除くと、ディフォルメモデルとしてロビーをよく再現している。こちらも、ゼンマイギミックで歩行が可能。

ロビーなのロボット

※上記イラストは「日常」の「東雲なの」だが、ロビーアラレも大体こんな感じでプラキット化されている。ただしイラストと異なり、ロビーアラレは手足もロビーであるが。



関連タグ編集

ロボット

フライデー

宇宙家族ロビンソン」に登場するロボット(名称は日本オリジナル)。デザイナーが同じ。頭部のクリアパーツに、人間に従う点など、様々な共通点を持つ。

偉大なるトボー

:1954年の映画で、「禁断の惑星」より二年早い。劇中に登場するロボット「トボー」は、クリアパーツの頭部や、劇中で人間に従い行動するなど、ロビーと共通点が多く見られる。

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