意味
品性に欠け、心の卑しい者は何事においても余計な邪推を働かせて、相手に悪意や敵意があるのではないかと疑うという意味のことわざである。
この通りあまりいい意味で使われることはなく、誰かの被害妄想や邪推を批判・揶揄したり自身の推測が歪んでいるものと前置きしたりする上で使われる。
下衆の勘繰りの一例
- 今度異動してきた部長は、若く仕事もそこそこできるAさんの些細なミスを見つけていびってばかりいる。もしかしたら部長は自分が仕事ができないから地位が脅かされると思っているのかもしれない。
- 女性アイドルのAが猫を飼い始めた。一人暮らしで動物を飼えるわけがない。きっと彼氏と同棲していて自分がいない時に世話をしてもらっているに違いない。ファンに対する裏切りだ。
- 死刑廃止を唱える人達は自分たちが死刑になるのを恐れているから、ああやって声高に死刑廃止を主張しているのだろう。
- クーデターの鎮圧のために自国の防衛システムの破壊を決断した指揮官に対して、叛意の疑いの目を向ける政府首脳陣。「下衆の勘繰りに付き合っていられるか。」
- 買い替えて数年のゲーム機がディスクを読み込まない。またソニータイマーの発動か。
ハンロンの剃刀
これに関する戒めとして『愚かさによって十分説明されることに、悪意を見出してはならない』というものがある。
例えば製品に不具合が生じた場合、それはメーカーの過失であり、故意ではない。
リコールを隠した場合は勿論、遅れた事例でも問題となるのに(安全管理の不備)
意図的に欠陥部品を混入させたときたら確実に不祥事。刑事事件となる。
つまり「無能であるから起こりうることに、悪意を持ち出してはならない」という法則である。
原文は"Never attribute to malice that which is adequately explained by stupidity"