概要
架空の町・海見市立の中学校・海見中学校及びその裏山の海見古墳を舞台に、古墳から出現した古代勇者の青年の亡霊の言葉で、亡霊に倒された姫君の復活を阻止するため、4人の中学生は悪の心に染まった四神との戦いを描く物語。
この物語の主人公は男女各2名ずつで、4人とも同じクラブに所属している。
ストーリー
遥1500年ほど昔生れつき黒い翼を生やしていた上に闇の力を持っていた所為で、孤独な思いをした月夜女塚の姫君・月夜女姫によって、幾つもの村が滅ぼされてしまい彼女を倒すために光の力を持つ海見之一族の王子・海見之王子は立ち上がる。片目に傷を負いながら、自らの命を引き換えに海見之王子は自身の墓である古墳の岩の奥深くに彼女の魂を封印する。
そして現代。古墳の町・海見市立の海見中学校に入学した南部俊一は親友の海原晃と共に弱小の不思議倶楽部を見学したときに、同じ1年5組のクラスで顔を合わせた2人の少女・観月シャロンとその友人の石動舞と出会う。この倶楽部は結成から1人も入部者がおらず一ッ橋と目加多の2人しからおらず、楽しいことがなくなるのがいやで好奇心旺盛で素直な俊一は自ら入部、舞は倶楽部から不思議な精気を感じて入部、彼女に一目ぼれした晃も入部、そして舞に勧められたシャロンは渋々入部するが、彼女は入学早々俊一と仲が悪い。
4人は部長の指示で海見古墳を調査するが、その最中に俊一と言い合いしたシャロンが彼を古墳の岩に押し付けた所為で、月夜女姫の封印が解かれてしまう。海見之王子の亡霊は、自身の魂の欠片・闇魂を使い、自身の魂が宿りやすい体を求めて復活のときを狙う彼女の復活を阻止するために、王子の亡霊から鎧石を授かり、秘密を知った4人は戦うことを決意する。
登場人物
主要人物
南部俊一
物語の少年主人公。海見中学校の1年5組所属。鎧石の位置は左手の甲。
好奇心旺盛で素直な性格のせいか、UFOなどのオカルト物が好きだが、勉強はからっきしで中でも英語が大の苦手。
実家は大工で、下に10歳未満の幼い弟と妹がいる。当初は小柄だったが、中盤で背がシャロンより高くなる(晃曰く背が伸びるときは、よくギシギシと音がしたりする)。
不思議倶楽部に入部したのは、オカルト系の研究ができなくなるのが嫌だったからである。しかし入部早々に古墳の調査に出かけたある日に、海見之王子の古墳の封印を解いてしまい、鎧石を持つ勇者に選ばれる。
終盤ではシャロンとの口論後に、シャロンが月夜女姫のよりましにされてしまい、彼女を救うために古墳崩壊後に飛び出した海見之王子の力を借りて、海見之王子同様に片目に傷を負いつつも、見事に奪還。その後月夜女姫を仲間たちと共に封印するも、シャロンの説得を受けた海見之王子によって、月夜女姫は浄化される。戦いの後は不思議倶楽部の次期部長になる。
観月シャロン
物語の少女主人公で、俊一と同様1年5組所属で、彼の隣の席に座っている。俊一と同じく鎧石の位置は左手の甲。
クールで少々口が悪いが根は寂しがりや。下記のせいか、俊一たちと出会うまでは、舞以外の友達がいなかった。また、孤独の寂しさを知っており、闇魂に操られた絵の少女を説得したりもした。
祖母がスコットランド人のクォーターだが、南部と同じく英語が苦手で、家庭科も不得意。
本人は不思議倶楽部はとても気持ちが悪いと思っているらしく、しかも俊一と仲が悪いため、入部するつもりはなかったが、舞に勧められて、しぶしぶ入部することになった。また彼のせいで古墳の封印を解いて、鎧石の勇者に選ばれたことを根に持っていたせいか、その後日に俊一に恥をかかせたが、海見之王子から、事情を聞いて、戦うことを決意した。
中盤では、俊一などの仲間との絆を深めたかに見えたが、月夜女姫のよりましに選ばれた上に、俊一との衝突もひどくなり、終盤では敵によって捕らえられてしまう。その際に月夜女姫が実は自分と同じ孤独な生活を抱えていたことを知り、彼女の魂を受け入れてしまい、鎧石の力を封じられて3人の敵になるが、俊一たちとの活躍で彼女と分離して、見事に4人で彼女を封印。そして、海見之王子に事情を話して、彼女は浄化された。戦いの後は不思議倶楽部の次期副部長になる(晃曰くシャロンが女房役なら俊一は彼女に尻に敷かれるから)。
海原晃
ヒーロー。俊一の親友で、彼と同じクラス。鎧石の位置は右手の甲。
頭がよく、当初は科学倶楽部に入る予定だったが、入学早々一目ぼれした舞が不思議倶楽部に入ることを知り、結局入部。海見古墳の調査中に月夜女姫の封印が解けて、鎧石の勇者に選ばれたときは、彼らの後方支援を担当する。
俊一とは長い付き合いなせいか、彼のことを励ましたり、世話を焼かせたりしている(俊一が月夜女姫を封印する戦士をことをうっかりしゃべろうとしたら、スフィンクスのレプリカの中に閉じ込めたりなど)。主にレポートを作ることを担当しているが、戦いの後では俊一が単独でレポート作りしたときは、びっくりした。
普通の生活に戻った後も、クラブで活動している。
石動舞
ヒロイン。友達がいなかったシャロンの唯一の友人。俊一たちとは同じクラス。鎧石の位置は晃同様右手の甲。
神社の一人娘で霊感が強い大和撫子。不思議倶楽部から清らかな気が漂っていたので、自ら入部。月夜女姫の封印が解けて、鎧石の勇者に選ばれた際は、霊感で後方支援する。
惚れっぽい性格のためか、それを利用されて、スザクに操られたことがあった。蜘蛛が苦手。
普通の生活に戻った後も、クラブで活動している。
海見之王子
光の力を持つ海見之一族の王子で古代の戦士。片目に傷を負いつつも、自らの命と引き換えに封じの力で月夜女姫を封印した張本人だが、このとき王子は姫の秘密を知らなかった。実は俊一たちと同年代に近い(でも俊一におっさんと間違えられた。舞曰くタイプ)。
彼の亡骸は月夜女姫の魂と共に海見古墳に収められたが、彼の力でも永遠ではなく、いつかは壊れて、いつ誰かが彼女と戦わなければならないのである。俊一たちが月夜女姫の封印を解いたときは、鎧石を与えて、彼らに事情を話して勇者に選ぶ。
亡霊になってからは、俊一たちに助言を与えたり、終盤では古墳が壊れて俊一に力を貸したりもした。最終的には彼女が封印されて、彼女を葬ろうとしたが、シャロンの報告で彼女を浄化して成仏するかのように彼らの前から姿を消す。
不思議倶楽部
一ッ橋
部長。中学2年生。
俊一たちを倶楽部に迎えて、様々な使命を与えたために、彼らは海見古墳の封印を解いてしまった。その後俊一たちは時々、月夜女姫の手下たちと戦うことになってしまう。
目加多
副部長で、中学2年生。大和撫子な雰囲気の持ち主。
彼女も俊一たちを倶楽部に入れたために、事件の始まりになってしまった。
黒の使い
月夜女姫
黒幕。月夜女塚の姫君。闇魂で人を操る力を持つ。
生まれつき黒い翼と闇の力を持っていたせいで、孤独な生活を送っていた。
海見之王子との戦いで、封印されて肉体は数年もかけて滅びて魂だけの存在になった。しかし、俊一たちによって封印は解かれてしまい、その後は闇魂を使って、絵の少女や四神を操り、よりましを求めて、復活を狙っている。
終盤では、自分と同じ孤独を感じる心を持つシャロンをよりましに選び、彼女に乗り移り、俊一たちを襲うが、彼らの活躍で分離して、暴走を始めるが、俊一たちによって封印される。後にシャロンの説明を受けた海見之王子によって、浄化され消滅する。
四神
序盤で登場。月夜女姫の南を守護する少年。骸骨や人間(作中では舞)を操る能力を持つ。主人公たちの前に最初に現れた使い。背中に赤黒い翼を生やしている。
普段は桂という名の風紀委員の生徒に成りすましている。そのため舞などの少女たちのあこがれの元になる。
自分が無力なため力を欲する余り、月夜女姫の闇魂を飲んでしまう。主人公たちの戦闘で俊一によって両翼を切り飛ばされて闇魂を破壊され白装束のような衣をまとった精霊に戻り、俊一たちに事情を話して舞に優しさに触れて、白い翼を生やして消滅する。
中盤から登場。月夜女姫の西を守護する少女。獣を操る力を持つ。長い尻尾や大きな耳を持っている。
友達のいない寂しさのために闇魂を飲んでしまう。初陣で俊一に尻尾を切り落とされてしまい敗退。その後、海見中学校の制服姿でシャロンを襲い、彼女を古墳に誘い出してシャロンはよりましに選ばれたことを知って、彼女を捕獲しようとするが舞のお守りの力で、闇魂を吐き出してしまい、俊一に闇魂を壊されて普段の服装に戻り、シャロンに寂しさを話して消滅する。
中盤から登場。月夜女姫の西を守護する少年。炎を操る力を持つ。龍の翼や角を生やしている。
運動神経は俊一を上回っており、球技大会で俊一の実力をヘナチョコを見極め、女子更衣室でシャロンと舞の前に現れて、舞の前でシャロンを連れ去り、その後シャロンは月夜女姫に取りつかれてしまう。最後は海見之王子の力でパワーアップした俊一に角を切られて敗北、闇魂が破壊された直後に裸体の上半身と竜の下半身を持つ姿に戻る。俊一達に復活した月夜女姫に勝てないことを諭して消滅する。
上記の2人を加えた3人の内、一人だけ服装が変わっている。
中盤から月夜女姫の北を守護する大蛇。月夜女姫の片腕を担当。
彼のみ俊一たちと戦うことなく、月夜女姫が浄化と同時に消滅する。
用語
- 海見市
主人公たちの住んでいる町で、海見中学校が主に戦いの舞台となっている。
町中に古墳が並んでいる架空の町。
- 海見中学校
主人公たちが入学した中学校。
中は旧式で大晦日で取り壊しになるはずだったが、セイリュウの襲撃で免れて、隣に新校舎が建った。
- 不思議倶楽部
主人公たちが所属している倶楽部で、当初は目加多と一ッ橋の2人だけだったが、現在は主人公たちが加わって6人になる。
彼らの仕事は学校の七不思議を調査すること。
- 海見古墳
嘗て海見之王子と月夜女姫が戦い、そこに王子の亡きがらと姫の魂が封印されていた古墳。
俊一達が調査中に封印を解いてしまい、シャロンと俊一は左手の甲に、舞と晃は右手の甲に鎧石が張り付いてしまう。
終盤では古墳は、セイリュウの襲撃で壊れてしまい、ここを不思議倶楽部のキャンプ場にしていた一ッ橋は悩んでいた。
- 闇魂
月夜女姫の魂の欠片。
心の闇を持つものがそれを飲むと、彼女の手下になってしまう。
人間を守護する白い精霊たち。実際は無力なため、それを月夜女姫の闇魂に付け込まれてしまった。
ゲンブ以外は亜人で、スザクとセイリュウはそれぞれの本来を姿を持っていた。
- 鎧石
月夜女姫の封印の岩の裂け目から現れた4つの石で、持ち主を守る力を担っている。俊一は闇魂を破壊する剣、シャロンはムチ、晃はコンピューター(素は初代のノートパソコン)、舞は和風のお守り(素は神社の巫女だった祖母の形見のお守り)を所持する。戦う意思が現れると戦闘形態に変身する。月夜女姫の封印後に、消滅する(恐らくはノートパソコンもお守りも一緒らしい)。
肉体を持たない魂が物や生物に宿るもの。
月夜女姫は、自分と同じ心を持つシャロンを選んで、彼女の気持ちを知ったシャロンは、あっさりと彼女を受け入れてしまう。