概要(ネタバレ注意)
本作のラスボス、怨霊名は刺青の巫女。上半身裸(といっても代々の刺青の巫女は皆そうである)。
体中に縁者と死に別れた人々の思いや痛みを引き受けた刺青、柊が刻み込まれている。久世の宮に入る前の旧姓は雪代。
かつての久世の宮最後の刺青の巫女。「戒ノ儀」の失敗により怨霊化した。
元は久世の宮近隣の集落で暮らす普通の娘だった。同じ集落に住む乙月要とは恋人だったが、都会に移り住む際に誘われるも彼女は集落に留まり、別れてしまった。
その後(災害によってか?)両親と弟、そして集落の住民全員が亡くなり、ただひとり生き残って身寄りを失くしてしまったところで久世の宮に刺青の巫女として選ばれてしまう。
巫女として久世の宮に入れば二度と出ることはかなわないが、巫女になることで自分と同じように近しい人を亡くした痛みを持った人を救うことができると諭され、巫女となることを受け入れ久世の宮に入った。
その後柊が身体を埋め尽くしたため、現世への未練を「砌ノ鏡(身切ノ蛇目)」(みぎりのかがみ)に映して砕き、最後に久遠の眠りに就き刺青を黄泉へと渡すための戒ノ儀を行う。それでも要への想いは断ち切れなかったが、要への想いは良い方向に作用し、要の事を想い幸せな夢を見ながら眠ろうとしていた。
完全に眠りに就こうとしたその時、夢によって零華が巫女となったことを察した恋人の乙月要が儀式の場へ忍び込み、追ってきた久世家の当主・夜舟が零華の眠りが完全でないことに気付かないままその場で彼を殺害するという惨劇を目撃してしまう。
目の前に倒れ込んできた要の死に顔が目に焼き付き、悲しみと絶望と自責の念にとらわれた彼女は柊の痛みを跳ね返した上、『戒ノ儀』で絶対起きてはならない目に柊が刻まれるという現象(本編では悪夢『忌目』と呼ばれている模様)を誘発、全身の柊を暴走させてしまうという最悪の禁忌「破戒」を引き起こしてしまい、久世の宮を現世とあの世の狭間に閉ざした。
……つまるところ、大元の原因は夜舟が事を急いてしまった上の凶行のせいである。
今でも要の悲惨な最期にとらわれ、「もう見たくない」「眠らせて」と黒澤怜に自身の苦痛を訴えている。
最期は、怜によってもう悪夢を見なくてもいいように目を閉じられ、恋人の要と共に、小舟で黄泉の門『涯』へと送られていった。
怜と同じ位置に泣きぼくろがある。上半身裸で執拗に男を狙う姿は、色々ヤバいようなものである。