概要
ヤングエースUPで連載中の漫画作品。作者はモクモクれん(まめお名義でも活動)。
ある集落を舞台に、親友の姿をした“ナニカ”と少年の交流を描いた青春ストーリー。具体的な村のモデルは明らかになっていないが、三重県が舞台である(ボイスコミックの方言指導より)。
ストーリー
ある集落で暮らす少年、よしきと光。同い年の2人はずっと一緒に育ってきた。
しかしある日、よしきが光だと思っていたものは別のナニカにすり替わっていたことに気づいてしまう。それでも、一緒にいたい。友人の姿をしたナニカとの、いつも通りの日々が始まる。時を同じくして、集落では様々な事件が起こっていき――。
お前が何者だろうとそばにいないよりはずっと…
登場人物
CVは後述のボイスコミックより。
- よしき
本作の主人公。フルネームは「辻中佳紀(つじなかよしき)」。
黒髪の少年で目元や口元などに黒子がある。
普段はクールな性格で肝試しなども得意。ある日、薄々気付いていた光への違和感を指摘したことで、それが親友の姿をした“ナニカ”だったことを知る。
生前の光との会話では、将来いつかできるかもしれない恋人の話題を避けたり、ヒカルの「めっちゃ好き」という言葉に複雑な反応をするなど、光には特別な想いを抱いていた様子。
一度はヒカルの「人間として生きたい」という気持ちを受け止めたが、集落で起こる事件などをきっかけに自罰的になっていく。
プロトタイプ版では親友の光に恋をしているが、本作では光やヒカルへの感情は明確には描かれていない。しかしどう言った想いなのかはこれから描かれていくと思われる。
- ヒカル
見た目は光そのものだが、その正体は人ならざる者(痛覚がなく、時々「中身」も見え隠れする)。
山の中を彷徨っていたところ虫の息だった光と遭遇し、気付くと彼の身体を借りた状態になっていた。あくまで自分は危害を加えていないという。
成り代わった時に光本人の記憶などを受け継いだことで、基本的には生前の彼を再現できている。
しかし完璧な模倣ではなく、言葉のイントネーションに違和感があったり、光の記憶があっても自身が体験していないもの(何度も見た映画・食べ慣れたメンチカツ等)には大きなリアクションを見せる。
ヒトになって初めての友人だからかよしきに執着しており、怪異対策で「おれ以外のこと見やんといて」と忠告する他、彼に避けられたと感じた時には暴走しかけている。
- 光
CV:榎木淳弥、KENN、下野紘、根岸耀太朗
ヒカルが成り代わった少年。フルネームは「忌堂光(いんどうひかる)」。
白髪に灰色の瞳(瞳孔は赤)が特徴。ヒカルは彼の人格などを継承したが、ホラーが苦手だったりと細かい部分までは把握できていない。
半年前に何らかの目的で山に行くが、その帰りに事故で死亡。だが、直後にヒカルが成り代わったために、一週間行方不明だったことになっている。
プロトタイプ版では山中で捨てられていたバナナの皮で滑って滑落、その時に現れたノウヌキ様に自分の全てを託した。
その他
- 巻(まき)
CV:安積亮
よしき・光(ヒカル)のクラスメイト。坊主頭が特徴。アシドリに住んでいる。普段の帰り道が工事中で仕方なく通った林道に違和感を感じ、よしきたちに一緒に帰ってほしいと頼み込む。
- ユウキ
CV:仁胡(三重弁方言指導も担当)
よしき・光(ヒカル)のクラスメイト。黒髪を二つ結びにした少女。
- 朝子
CV:北奈つき
よしき・光(ヒカル)のクラスメイト。天然パーマのような髪型の少女。
ユウキとは親しく、「ユーちゃん」「あーちゃん」と呼び合う仲。
気さくな性格だが霊感があるのか、どこかヒカルを警戒するような一面も。
- ハラセン
CV:黒井淳一
よしきたちのクラスの担任。ジャージ姿で眼鏡をかけた男性。
- メンチ兄貴
CV:北奈つき
商店街に住む野良猫。肉屋などに餌を貰っているのか、ぽっちゃり気味である。
よしきには懐いていた反面、ヒカルが触ろうとすると威嚇して逃げ出す。
よしきの発言から、光ではないナニカだと感じ取ったのかもしれない。
- 松浦
CV:仁胡
クビタチに住む老婆。めちゃくちゃ怖い。よしきたちが帰り道にすれ違うが、ヒカルを見た瞬間「ノウヌキ様が下りてきた」と激しく動揺する。
その日の夜、玄関先で宅急便を名乗るナニカに怯え、必死に抵抗するが…。
「ぎ」
- 暮林理恵
人より「見える」という主婦。よしきを見てヒカルの存在を感じ取り、そのまま一緒に居続けると「混ざってしまう」と警告した。それをきっかけに連絡を取り合うようになり、今のヒカルのように亡くなった夫が帰ってきた経験を語る。
- 光の父
光が小学5年生の時に作業中の事故で亡くなった。幼少期の光に迷信と言いながらも「ウヌキ様」の言い伝えを教える。普段は禁足地だった山にも、ある時期だけ出向いていたらしい。
- くの字(仮称)
ひらがなの「く」のような姿だが、よく見ると長い白髪を振り回す老婆のような怪異。自分を視認したよしきに着いて行こうとしたが、ヒカルによって潰されて取り込まれる。ヒカル曰く怪異は「寂しがり」で、見るとついてきてしまうとのこと。
用語
- ノウヌキ様
よしきたちが住む集落に存在するナニカ。光の父は「ウヌキ様」と呼んでいる。
幼少期の光と父の会話から「忌堂家には手出しをしない」という約束をしているようで、忌堂家の人間を連れ出せない代わりにその人にとって大事な人を連れていくとのこと(結婚して忌堂家に入ると問題ない)。
暮林が言うには「地獄みたいなもの」で、彼女は「山から降りたことで街に異変が起き始めたのかもしれない」と危機感を覚えていた。
プロトタイプ版でもほぼ同様の言い伝えが存在している。
ボイスコミック・コミック発売PV
エースこみっくチャンネルにて前半のエピソードがボイスコミック化されている。
2022年3月4日のコミック第1巻発売の宣伝PV。