どうした? 五郎。
え、そこまでやるんだ。
概要
テレビ東京開局60周年特別企画
2012年1月より、テレビ東京系列で放映されている(第5期からはドラマ24枠に移動)ドラマ『孤独のグルメ』の初の実写映画である。
劇場版ではなく劇映画である。
主演は勿論、ドラマでお馴染みの松重豊だが、今回はなんと監督と脚本も兼任する(脚本のみ、これまでドラマ版を担当してきた田口佳宏との共同となる)。
何でも、松重曰く「シーズン10まで制作して、スタッフの入れ替わりが進んだ事で若手スタッフが育っていないと危惧し、そこで若手スタッフの育成の場を検討していたら映画化の話になった」という。監督は当初、松重が出演した『シェイキング東京』で監督を担当したポン・ジュノに依頼しようとしたが、スケジュールの都合が合わずに断念。その後は日本の映画監督で検討していたが、松重が「日本の映画システムに若手スタッフが飲み込まれてしまう」と危惧して自ら監督を務める事になった。脚本も当初はテレビ東京側が野木亜紀子に任せてもらおうとしたが、松重が「自分でやる」と言って脚本も担当する事になった。
劇場版ではなく、劇映画という表現も「単なるテレビドラマ版の延長線上にしたくない」という松重の意向である。
スタッフクレジットでは、松重は主演・監督・脚本として記載されているが、製作も携わっているので実質的には主演・監督・脚本・製作という4つの職務を担当する事になった。ここまで来ると「私物化」と言われそうな気がしなくもないが、本人曰く「映画の集客が見込めないような事態になれば、僕はかねて公言している通り、責任を取って『孤独のグルメ』から身を引きます。やるだけのことはやりましたので、あとは視聴者と観客の方々の判断に委ねます。」といつも通りの後ろ向きコメントを残している。(大抵そんなことにはならないのだが。)
主題歌はザ・クロマニヨンズの『空腹と俺』。
あらすじ
五郎がある事情でフランスに赴き、今は亡き嘗ての恋人の娘から母の想い出の味である幻と呼ばれるスープを探す依頼を引き受けてしまう。旅の道中、何らかのトラブルに巻き込まれて全身ボロボロに。五郎は一体何の事件に巻き込まれたのか、一体どのようにして幻のスープと出会うのか……
登場人物
以下、キャラクター:演者という形で記載。
- 井之頭五郎:松重豊
ご存知我らが主人公のゴローちゃん。
かつての恋人である小雪の娘、千秋に依頼されて幻のスープ「いっちゃん汁」の調査を受ける事になる。
- 志穂:内田有紀
韓国にある孤島で食品研究をしている。
夫はラーメン屋「さんせりて」の店主だが、仲違いで別れている。
- 中川:磯村勇斗
ラーメン屋「さんせりて」の常連客。
やさぐれてしまった店主を気に掛けており、ひょんな事から幻のスープを探す五郎を手伝う事になる。
- 滝山:村田雄浩
お馴染み五郎の友人。
今回は五郎に依頼されて幻のスープの調査を情報収集などでサポートする。
- 韓国入国審査官:ユ・ジェミョン
とある事情で韓国へ不法入国してしまった五郎をお迎えに上がる。
- 松尾一郎:塩見三省
千秋の祖父で恐らく小雪の父。
幼い頃、故郷の五島列島で母が作ってくれた幻のスープ「いっちゃん汁」をもう一度食べたい思いでフランスを訪れた五郎に調査を依頼する。
- 松尾千秋:杏
五郎のかつての恋人である小雪の娘。
母から「日本で何かあれば井之頭五郎を頼れ」という遺言を信じて、祖父と共に「いっちゃん汁」の調査を五郎にお願いする。
- 「さんせりて」店主:オダギリジョー
志穂の夫でラーメン屋「さんせりて」を経営している。
気難しくて料理への拘りが強い人物だが、コロナ禍などの影響で経営が上手くいかなくなり、やさぐれていた(お店自体は今でも開いているが、カーテンを締め切るなどして、とても人が入れそうな雰囲気ではない)。
ラーメンを作る情熱を失っていたが、志穂を通じて五郎と中川から幻のスープ「いっちゃん汁」の再現を依頼される。
- 善福寺六郎:遠藤憲一
テレビドラマ「孤高のグルメ」の主人公。
誰かさんと名前が似ている。
- 小雪:目黒真希
五郎のかつての恋人。
既に故人であり、遺影として登場。
生前に娘の千秋へ「日本で何かあれば井之頭五郎を頼れ」という遺言を託していた。