概要
名古屋本線の急行列車のサービス向上を目的に1986年に登場したSR車。
本系列は完全新造車・5700系とは異なり、冷房化ができないという理由で廃車となった初代5000系・5200系から機器類を流用。一方で車体デザインについては5700系と同じものにした。
2009年より台車を交換しなかった5300系の廃車がスタート。残存編成は機器流用車ながら継続使用されたが、ホームドア設置に際して「2ドア車・3ドア車の混用は支障をきたす」として一般車をすべて3ドアに統一する方向性となり2019年までに全車退役。同時期には5700系も運行を終了しており、こうして名鉄の2扉クロスシート一般車の歴史は終焉を迎えた。
性能
- 一部の機器は5000・5200系からの流用となったが、制御装置については新造品の1C8M構成の界磁添加励磁制御を採用。
- モーターは5000・5200系より流用した出力75kwの直流直巻電動機で、ブレーキはHSC-R形電磁直通ブレーキ。
- 台車も流用品で、当初は5000・5200系由来のコイルばね台車であるFS307A形・FS315形を装着した。その後乗り心地改善と120km/h走行対応のため、1993年からFS315形搭載車を対象に空気バネ台車のFS550形へ台車の振り替えを開始。そして捻出されたFS315形でFS307A形を淘汰するというものだったが、2000年からFS315形も淘汰対象に含まれるようになった。
- 全電動車構成のため付随台車はない。
車種構成
5301~5308編成は4両編成、5309~5313編成は2両編成で竣工。
機器構成・パンタグラフの配置は種車に揃えたため、当該箇所が5700系と異なる。
- モ5300:5300系の豊橋方制御電動車。
- モ5350:5300系の豊橋方から数えて2両目に連結される中間電動車。
- モ5450:5300系の豊橋方から数えて3両目に連結される中間電動車。
- モ5400:5300系の岐阜方制御電動車。