概要
南洲翁遺訓第三十章にある志士・西郷隆盛が発したとされる台詞。
常世に執着しすぎない西郷隆盛の人物像を特に表した名句として有名であり、
西郷隆盛関連の作品にはタイトルや名台詞として度々用いられる。
現代訳
「命も要らない、名声も要らない、(命もいらず、名もいらず)
官位も金銭も要らぬという人は始末に困るものだ。
(しかし)この始末に困る人がいなければ艱難を共にして国家の大業は成し遂げれることはできない。
されど、その様な人は凡俗な目では見抜くことはできないものだ。」
聞いた者が言った。
孟子が「 大人物は常に広く天下の大局に目を留め、天下の公正な立場に身を置き、
天下の大道を行う。
志を得て政局を担いて善政を行えば民と共にし、
志なければ野にくだって独り道を行く。
富貴も堕落させられず、貧苦も志を変えることできず、武力でも屈服させることはできない」
と語ったのはそのような人物のことですか?
そう問いた。
南洲翁は答えた。
「いかにもその通りだ。
道をしっかり行う人でなければその気概は現れないものである」