概要
西郷隆盛は猟銃を用いた狩猟や投網を用いた漁を好んでおり、特に狩猟は肥満の解消にもなる為、晩年まで続けていた。狩猟で山野に入る際には必ず猟犬を伴っており、犬好きもあって、多い時には数十匹もの猟犬を自宅で飼っていた。
「ツン」はそんな多くの飼い犬の内の1匹で、メスの薩摩犬だった。
2024年現在、犬連れの西郷の銅像としては、東京都台東区上野恩賜公園の西郷隆盛像、鹿児島県薩摩川内市湯田町の『愛犬ツンを連れて狩りに赴く西郷隆盛像』の2箇所、西郷の飼い犬の銅像としては、鹿児島県薩摩川内市藤川天神の『西郷どんのツン』の1箇所があるが、それらの犬はすべてツンである。
但し、上野のツンの像はオスである。よく見れば立派な陰嚢が確認できる。この像が建造された明治31年(1898年)の時点で本物のツンは既に他界していた為、制作を担当した後藤貞行は大日本帝国海軍中将仁礼景範のオスの飼い犬をモデルにした為にこのような齟齬が発生してしまった。
なお鹿児島県鹿児島市城山町には犬を連れていない『西郷隆盛像』があり、道向かいの「西郷銅像撮影ひろば」には犬の置き物が設置される時があるが、この犬の名は「カヤ」なのだそう。ツンがあまりにも有名な為勘違いされるが、違うので注意。夜間はおうちに帰ってしまうので、会いたければ日中にどうぞ。