概要
町工場一家の悲惨な末路と、大学受験を控えている長男「別所たけし」の不幸すぎる転落人生を描いた作品である。
伝説の漫画雑誌『月刊漫画ガロ』1985年6月号から1986年6月号まで1年間にわたり連載されたが、版元の経営難が原因で原稿料0円での連載だったという。
言わずもがな西岸良平の『三丁目の夕日』とは作者も作風も丁番も掲載誌も何もかも違う全く無関係の作品であるが、何故か間違えてこっちを読んでしまう被害者が後を絶たない。
単行本の出版後、内容が内容だけに中々再発されず入手困難な状況が続き、市場価格も一万円以上まで高騰するなど正真正銘の伝説的トラウマ漫画だったが、現在は扶桑社より文庫版が刊行されており、今もなお読み継がれ語り継がれるロングセラーとなっている。
特殊漫画家の根本敬をして「山野一の描き出す不幸のどん底は逆に大乗仏教的ですらある」と言わしめた、まさに鬼畜系の古典的名作である。