概要
神奈川県の津久井郡青根村(現在の相模原市緑区青根)の伝承に伝わる民間神。
四季の終わりの18日間にあたる土用になると屋敷内に現れるとされ、この期間に土いじりを行う事は土用坊主様の頭を引っ掻く事に成るので、けっして土いじりも草むしりも行ってはいけないとされる。
要は土用の期間だけその土地を守護する神の様な存在だと思われ、一説には陰陽道における土公神も同様に、所在時に土を動かすと激しく祟るとされている事から、土用坊主とはこの土公神を指しているのではないかとするものもある。
また、それぞれの土地を守護する土地神も、断りなしに土を動かすと災いが起きるとされている事から、土用坊主もそうした土地神、もしくはそのような性質を持つ霊的存在とする説や、江戸時代に書かれた『和漢三才図会』に記載される方位神である金神(こんじん)も土用の日に祀らずに造作して土地を穢すと恐ろしい祟りを起こして災いをもたらすとされていることから、土用坊主と金神の関連性を指摘する文献も存在している。