概要
墓場に出向いて故人を悼むことである。
映画やアニメなどでは名シーンになることもある。
日本においては命日のほか、お盆とお彼岸に墓参りをする慣習がある。
合掌、墓や周辺の掃除、お供え物などをして故人・先祖を供養するのが目的である。
反対に祖先崇拝の考えがないキリスト教圏では墓は一種の記念碑のような役割をしているため、先祖を供養するのが目的では無く、神に祈りを捧げることが目的とされている。
とはいえ、信心深い人間が少ないこの日本で「墓参り」なんて行事が廃れないことは不思議であろう。
面倒な現代人も多いはずである。
しかし祖先崇拝など蔑ろにしている大多数の日本人にとっても「墓参り」という言葉は良い口実となるのである。
お盆は墓参りの為の休みだが、わざわざ故郷に帰るのは、都会の生活に疲れた田舎者が暑苦しい真夏を地元で過ごすことでリフレッシュをするのが大体の目的で、墓参りはそのオマケみたいなものである。墓参りという名目の休暇は日々社畜として窶れた生活を送る者たちにとって必要不可欠なのである。だから帰省ラッシュが起こる訳である。
これは企業も黙認していることである。
その為、墓参りという行事は一応必要なのである。
又、墓参りといえば寺に行くようなイメージがあるが、これは先述の祖先崇拝と仏教が組み合わさった神仏習合の流れを汲んでいるのである。
しかし戦後は安くて敷地も広い霊園が数多く建設されたため故郷を捨てた者や住職とのコミュニケーションが難しい者たちは共同墓地や霊園に埋葬してある。
現代人は墓を立てない傾向がある為、この風習はもはや過去の遺物と化す日も近い。