概要
『外天楼』とは、石黒正数が雑誌メフィストにて2008~2011年の間に不定期連載していたSFミステリー漫画である。
本作は”外天楼”と呼ばれる舞台を共有した短編連作であり、各話毎に青春ジュブナイル、密室ミステリー、SF哀歌、サイコサスペンスといったようにジャンルを変えており、非常にバラエティに富んだ内容となっている。
しかし、本作の見所は練り上げられた脚本と各話に巧妙にちりばめられた伏線の妙である。
登場人物達も悪意や狂気を宿した者がおおく、ストーリーが進む毎に雰囲気がダーク一色に染まってゆくのも特徴である。
和気藹々とした話から始まり、終盤では点と線を結ぶように怒濤の勢いで衝撃の真実が明らかになる異様な雰囲気の作品であり、読者からは「石黒正数の最高傑作」とする声も多い怪作である。
ストーリー
ロボットが日常生活の必需品となった近未来。
とある一角にその建物は存在した。増改築を繰り返し、迷路のように入り組んだ集合団地。暴走族の落書きにちなみ、『外天楼』と呼ばれるカオスの庭である。
エロ本を買うために四苦八苦する少年たち、謎の怪死を遂げた会社員、新型ロボットを買うために働きまくる工場員。外天楼に住む者達の悲喜こもごもは、やがて衝撃の結末を迎えることになり・・・。