夜が降りてくる
よるがおりてくる
正式タイトルは「夜が降りてくる ~ Evening Star」
『東方project』東方萃夢想にて八雲紫のテーマ曲として発表される。
作曲者はもちろんZUNであり、彼が萃夢想にて書き下ろしで提供した三曲の楽曲のうちの一曲。(残り二曲は「Demystify Feast」、「御伽の国の鬼が島 ~ Missing Power」)
「東方緋想天」においては、黄昏フロンティアのあきやまうに(U2)によるアレンジ版が使われているが、そのタイトルは「夜が降りてくる」となっており、「 ~ Evening Star」が外されている。
なおこの緋想天版のアレンジは、萃夢想のオリジナルサウンドトラック「幻想曲抜萃」に収録されているアレンジとは別バージョンである。(こちらは「 ~ Evening Star」がタイトルに付いたまま)
また、ZUNのオリジナルCD「夢違科学世紀 ~ Changeability of Strange Dream」には、セルフアレンジ版が収録されている。
『八雲紫のテーマです。
この曲は、不気味さと気持ちよさを兼ね備えた紫らしい曲になっていると思っています。
それに西洋と東洋を混ぜずに、分離したまま一つの曲に纏める事が出来た、かなぁ。
紫の場合、和洋折衷じゃ駄目なんですよね。
分離したまま一つにしないと肝心の境界がなくなってしまいますから。』(東方萃夢想MusicRoomより)
萃夢想の各キャラクターのストーリーモードにおいて、紫はいわゆる中ボスポジションであり、紫ステージの時間帯は一貫して夕方である。
夕方とはすなわち日が暮れていく時であり、このとき西の空に輝く金星は宵の明星と呼ばれる。
宵の明星は英訳すれば「Evening Star」。
日が暮れていく様の英語表現には「Night is falling」というものがあり、「Night is falling」を直訳すれば「夜が降りてくる」となる。
またいうまでもないことであるが、夕方とは昼と夜の境界である。
『シューティング以外の曲と言うことで若干悩みつつも、いざ創ってみるといつも通り過ぎて何とも。この曲はあの困った妖怪の八雲紫のテーマ曲です。だから、曲にも境界を入れたくて、明らかに異なる二つのイメージで構成してみました。その境界は前半は不気味に、後半を気持ちの良い感じにしたので、急に視界が開ける感じで気持ちが良く気に入ってます。
この曲を聴くと、急速に広がる視野と夕方の神社を幻視します。聴けば東方の曲だとすぐに判る感じもするけど、どこかが他の曲と違う感じがする。理論的な所でなく、これは曲の幻覚成分に差があるのだと思う。つまり、シューティングではないと意識した私の心が反映されているに違いない。』 (東方文花帖・幻想の音覚より)
主なアレンジ楽曲
アレンジ曲名 | サークル名(アーティスト名) | 登場年 | 備考 |
---|---|---|---|
THE EVENING STAR | SOUND HOLIC | 戦迅も含まれる | |
Evening Calm | WAVE | 2005 | |
宴は永遠に | IOSYS | 2007 | Demystify Feastとの複合 |
キリトリセン | Siestail | 2009 | 同上 |
絶対的一方通行 | 凋叶棕 feat.めらみぽっぷ | 2011 | ネクロファンタジアも原曲とする |
Two Fates | 発熱巫女~ず | 2013 | 魔術師メリーも原曲とする |
オーバードリーム | TUMENECO | 2011 | 夢と現の境界も原曲とする |
Till we meet again | ユウノウミ | 2013 |
~第十回は東方シリーズ人気投票、第十一回~は東方project人気投票における順位で、第四回からの参加である。
第四回 | 17位 |
---|---|
第五回 | 51位 |
第六回 | 72位 |
第七回 | 82位 |
第八回 | 82位 |
第九回 | 86位 |
第十回 | 85位 |
第十一回 | 80位 |
第十二回 | 90位 |
第十三回 | 84位 |
第十四回 | 63位 |
第十五回 | 77位 |
第十六回 | 76位 |
第十七回 | 102位 |
第十八回 | 87位 |
第十九回 | 98位 |
ネクロファンタジアの存在の強さと、萃夢想から時間が経っているためか、第四回から第五回にかけて大幅に順位を落としている。その後は安定した順位をキープしていたが、2021年の第一七回では三桁にまで落ち込んでしまった。