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夜尿症

やにょうしょう

「おねしょ」の別名(というか病気としての「おねしょ」のこと)
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夜尿症とは編集

ざっくりと説明してしまえばおねしょが治っていない事。

厳密には「夜尿症」や「遺尿症」はある程度の年齢5~6歳)以上で一か月に一度以上寝具(この場合の寝具とはマットレスやシーツだけではなく、下着も含む)を濡らしてしまい、それが三か月以上連続して続くことである。

そのためこの年齢以上の子が失敗してしまったとしても、それが偶発的なもので連続しない限りは心配する必要はない。人間だれしも時にはそんなこともある。


分類編集

大きく分けて夜尿症には二種類あり、「一次性夜尿症」「二次性夜尿症」である。

読んで字のごとく一次性とは生まれてからずっとおねしょが続いていることであり、二次性とは成長に応じて一度は治ったはずのおねしょが再発してしまった物を指す。


原因編集

まだ不明なことも多いが、夜尿症の原因としては大きく分けて以下のものがあげられる。


抗利尿ホルモンの分泌、需要に問題がある

抗利尿ホルモンとはおしっこの量を減らす働きを持つホルモンであり、本来は睡眠中に多く分泌されるて水分の再吸収を促し尿量を減らす事でトイレに行けない状態でも朝まで膀胱から溢れない量に保っている(朝一のおしっこが濃いのはこのホルモンによって濃縮されているため)が、これが上手く分泌されなかったりされたとしても脳みそや腎臓が上手く受け取ってくれないと尿の量が減らないので膀胱に溜めきれなくなり溢れてしまう。


膀胱が小さすぎる

上記の抗利尿ホルモンが十分に分泌され働いたとしても、膀胱が小さすぎるために減った尿すら溜めきれずに溢れてしまう。


複合性

抗利尿ホルモンに問題があり、なおかつ膀胱が小さすぎるという両者が合わさってしまったパターンも存在している。この場合寝具の被害は大きなものになりやすい。


精神の負担

詳しい原因は分かっていないが過度のストレスにさらされた場合などにも夜尿症になってしまう場合がある。


外傷、障がいなど

脊髄などに外傷を負った場合やある部位に生まれつき障がいがある場合、神経からの抗利尿ホルモン伝達が上手くいかなかったり膀胱が膨らまなかったりして結果として尿を溜めきれずにおねしょをしてしまうこともある。


対策編集

寝る前に必ずトイレを済ませる

じつに古典的であるが馬鹿にできるものでもなく、膀胱を空っぽにすることで溜められる量を増やすというのは重要である。


水分を控える、身体を冷やしすぎなくする

同じく古典的な手法。つまり睡眠中に作られる尿の量を減らす事で溢れてしまわないようにするといった対策である。


おむつを使用する

言わずと知れた排泄トラブルの強い味方であり、だれしも赤ちゃんの頃には必ずお世話になったであろう下着である。現在では小学校高学年から大人まで全てのサイズに対応しており、使用するだけでパジャマやシーツを洗濯する手間が省けるのは大きな利点である。

ただ「赤ちゃんの下着」というイメージも強く、ある程度以上の年齢の子供のプライドを傷つける恐れもある。

またサイズが合っていないと横漏れの原因となり意味が無いので注意が必要であるし、製品によって吸ってくれる量も異なるのでおしっこの量によって慎重に選ぶ必要がある。(大容量のものは多少値が張るケースも多い)


おねしょシーツを利用する

防水、もしくは吸水素材で作られたシーツ。おむつに比べて多少マイナー感があるのは否めないが、利用することでマットレスや掛け布団を濡らすことは無くなるので洗濯の手間は省ける。

また紙おむつと違って繰り返し使えるので懐にも優しく、「毎日失敗してしまうのでは無いが布団を濡らしてしまうのは嫌だ、でも使い捨てのおむつを使うのは経済的に厳しい」といった場合特に有効であると言える。

応用としておむつの横漏れ対策として使用することもあり、この場合は万一溢れてしまっても布団は無事という二重の防御を構えることができるようになる。


おねしょパンツを穿く

「下着を濡らしてしまうが量はそれほど多くない」という場合に有効な、布の下着に吸水性能を持たせることで他への被害を軽減することを目的としたもの。勿論おむつ程吸ってはくれないが失禁パッドと組み合わせる事で給水能力を高めることも出来る。

大きな長所として「外から見ると殆ど普通の下着を変わらない」という点があり、夜尿症の子供が紙おむつを見られてしまうのを嫌がるであろう宿泊行事などでも活躍してくれる。


治療法編集

薬物療法

人類最大の武器である科学力によって抗利尿ホルモンの分泌を促進するなどの効果を持つ便利な薬が開発されており、これを継続して服用することで徐々に治療するといった選択肢もある。


膀胱訓練

膀胱というのは尿を溜めて膨らませる事を繰り返すと大きくなって溜められる量が増えるので、我慢を繰り返すことで一晩分の尿を溜めきれるまで訓練するというもの。

限界まで我慢する必要は無く、「尿意を感じてから30分だけトイレに行くのを遅らせる」というものでもよい。


おねしょアラームを使用する

おねしょアラームとは下着に取り付けて濡れると音が鳴る装置であり、これを使用することでおしっこが出る→アラームが鳴って目が覚めるということを繰り返すとそのうちにおしっこが出てしまった瞬間にアラームが鳴らなくても目覚められるようになる。つまりその時点で尿を止めて残りをきちんとトイレで出せるようになると条件付けを利用したもの。ただ子供の場合はおしっこが漏れる寸前になっても目覚められないほど眠りが深い事が多いのでアラームでも目覚められる保証は無く、家族の協力が不可欠である。


この他にも民間言説を含めた治療法は多くあるが、肝心なのは素人知識で対応しようとせず泌尿器科を受診してお医者さんに診てもらう事である。人によって原因が違う以上治療法も変わり、まずは専門家の知識を借りることが重要である。

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