概要
江戸川乱歩による造語。
「論理的な謎解き」に主眼を置く“本格”推理小説に対する“変格”、その中でも
・基本的に短編で、
・独特の雰囲気(世界観)の中で何とも不気味な事件(犯罪とは限らない)が起き、
・最後まで謎がハッキリとは解決されない、あるいは非常に不快な終わり方をするなどして、
・読後に何ともすっきりしない奇妙な後味を残す(ことが作者の狙い?である)、
ことを指す。
代表例はロバート・バー『放心家組合』、トマス・バーク『オッターモール氏の手』、ヒュー・ウォルポール『銀の仮面』、ロード・ダンセイニ『二壜のソース』など。
(ここに挙げたこれらの作品は、乱歩自身が編んだ創元推理文庫『世界短編傑作集』に収録)
日本では横溝正史や夢野久作ら戦前派探偵作家達の短編作品や、星新一ショートショートの一部作品(『おーい でてこーい』等)などにみられる。
が、近年はほとんど用語として使われない。