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概要編集

名前の通り、ミステリーの体裁を掲げていながら、ジャンルとして最低限守るべきルールに反している作品のこと。

推理要素そのものを皮肉った作風をしていたり、作品自体がミステリーであることを否定している作品をこう呼び、ファンタジーを組み込んだミステリーとも毛色が異なる。


ノックスの十戒」ほど厳格に守る必要はないが、作者自身や犯人だった語り手が読者に真っ赤なをついたり、最後まで真相がハッキリしなかったり等、推理ものとしての起承転結が破綻している内容が多い。


現在でも邪道、駄作と見做される傾向が強いが、従来の推理小説の型にはまらない、前衛的で実験的な作品に対する総称として使用されており、いわゆる中毒性を伴った作品も存在している。


日本三大作編集

元々アンチミステリは、三大奇書とも呼ばれるこれらを指す用語だった。


ドグラ・マグラ

夢野久作著の精神疾患をテーマにした情景の描写と、常軌を逸した展開が特徴の作品。

『読めば発狂する小説』という触れ込みで有名。


黒死館殺人事件

作者は小栗虫太郎。物語の9割が雑学に彩られており、それをもって真相解明を難解にさせるという大胆な手法がとられている。

一部シーンにおける探偵役の思考回路や行動原理にも一種の超展開が見受けられる。


虚無への供物

著者は中井英夫。登場人物自らが、実在する推理小説や前述のノックスの十戒などで推理をするというメタな展開になっている。

その内容から江戸川乱歩賞応募時、選考会委員は当作を冗談で作られた小説とすら思ったという。


関連タグ編集

推理小説 奇書

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