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概要編集

小説といった文学作品において「物語を描写する登場人物」のこと。「地の文」を担当するキャラクターと言えば分かりやすいだろう。


一般には物語の主人公が担当することが多いが、シャーロックホームズシリーズのワトソンのような「作中のヒーローではなく、一般人の視点と感覚を持った人」が担当することもしばしばである。ライトノベルなら涼宮ハルヒシリーズのキョンが近いかもしれない。


厳密には文学の世界では「三人称の語り手」「神の視点」なるものも存在し、この場合は作中に地の文担当がいないことになる。


「語り手」の種類編集

語り手の通例編集

主人公またはその相方」である事と、「常識人苦労性ツッコミ気質」である事。物語の世界観に読者を引き込むにはこの二つが王道だろう。


なぜなら「物語に最も関与する人物」かつ「読者層が共感を持てるキャラクター」にしなければ多くの読者はついてこれないためである。


そして悲しいかな、彼らは宿命的にアニメ視聴者から「濃いキャラに埋もれた凡庸」という印象を抱かれやすい。何故なら、上記したようにある程度の「薄さ」を持つキャラでなければ、語り部を全うし辛いのだから。

これは古くからある推理小説も大体一緒である。


また、異世界系の主人公も殆どこのパターンだが、これは現代日本の知識がある者にファンタジー世界との比較をさせる事で、世界観の描写が分かり易く楽に済むため。

最悪「転生者設定が解説以外に必要なく、蛇足でしかない」キャラも居ることは居るだろう。表現力の無さを設定で誤魔化した、とも。


信頼できない語り手編集

語り手の言及と作中の実態に齟齬があり、どこまで地の文を信用できたものかアテにならないケースのこと。

上記「通例」から外れたタイプの語り手が該当しやすいが、通例でも過小評価といったバイアスのかかった感想を語ることは多々あり、ある意味で「全ての語り手は完全に信頼はできない」とも言える。

より詳しい事は、専用記事も参照。


複数の語り手編集

本邦ラノベで代表格は「物語シリーズ」あたりか。

基本的には阿良々木暦視点が多いが、セカンドシーズン初作の「猫物語(白)」で羽川翼が語り手を務めて以来、様々なキャラクターが語り手を務めるようになる。

 

はめフラ」も初期から多数のキャラが語り手を務めるが、これは主人公アホの子過ぎて物語や世界観をちゃんと伝えられない"信頼できない語り手"になりがちという、キャラ付けの一環として当手法を使ってもいる。


関連タグ編集

小説 ライトノベル

語り部:こちらは主に「神話や民間伝承を語り継ぐ職業」を指すことが多いが、本記事と同様の意味でも用いられる。

ナレーター:日本語では少々意味が異なるが、本来英語では語り手をこのように呼ぶ。

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