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概要編集

中国の作家・魯迅による小説。原題が「故鄕」


旧態依然の身分制度が残る時代の中国の農村を舞台となっており、主人公の生家の没落、故郷の様子が描かれている。

日本では主に中学校の国語教科書に掲載されている。


登場人物編集

  • 主人公

作中では「私」という三人称となっている。

裕福な家に生まれたが、父親の死後に没落し、一族が住んでいた家を引き渡す事と同時に家財道具などを売り払うため、20年ぶりに故郷を訪れることになった。

本人は否定しているものの、後述のヤンおばさんからは「没落した今でも十分金持ち(意訳)」と見なされている。


主人公の母親。


  • ルントウ

主人公の親友。

少年時代は主人公とは兄弟のように仲が良く、鳥を捕まえる方法や、畑を荒らす動物を退治する話等、未知の世界を教えており、主人公にとっては憧れの存在であった。

なお、ルントウの父親は主人公の一族に雇われる小作人であった。


  • ホンル

主人公の甥。


  • ヤンおばさん

豆腐屋の中年女性。ヤンは漢字で「楊」と書く。

若い頃は「豆腐屋小町」と呼ばれる程の美女であったらしく、看板娘として豆腐屋が繁盛をさせており、当時は幼かった主人公を可愛がっていた。

作中では老いや貧困でやさぐれたのか、20年ぶりに再会した主人公を見るなり、嫌味な口調で家財道具を譲るよう要求する等、若かりし頃の面影が消え失せていた。






























※以下、ネタバレ



































ガタッ

帰郷してほどなく、息子を連れたルントウが主人公の家を訪れた(※イラストはパロディ)。

困惑する主人公に対してルントウが発した一言が……


「だんな様!……。」


……と、2人の間に「身分の違い」という大きな壁が生まれた事を表していた。


  • ルントウ

成人してからは父親と同様に小作人となっていたが、凶作や重い税金、略奪者などといった様々な災いによって心が折れてしまい、老人のように老け込んだ風貌となっていた。

そして、現在では主人公と対等に接する事ができなくなり、少年時代の面影が薄れたルントウを目の当たりにした主人公を絶句させた。子は6人いるらしく、皆、働かせているが、それでも食うに困る生活であることを嘆いていた。


  • シュイション

ルントウの息子(第5子らしい)。

容姿が少年時代のルントウと瓜二つであるが、貧しい暮らしのせいか、人見知りな性格である。

当初は物怖じしていたが、主人公の母親の計らいで交流したホンルとすぐ仲良く遊び始め、エピローグでは再会の約束をしていた。


関連タグ編集

海外文学 魯迅 中国

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