曖昧さ回避
概要(ネタバレ注意)
スレイヤーズの主要人物、ガウリイがゴルンノヴァを失った後に、とある町にて入手した剣。
本編では伝説の剣の一種として、名前だけが広まった代物で、番外編でも名前が使われたことがある。
はじめは、魔族に対抗できるだけの魔術が施された、無銘ながら有用な魔力剣としてガウリイが使用。ガウリイの技量の高さもあって、無銘の状態でもそれなりの働きを見せていたが、本編が進むにつれ、その正体が鋼の刀身をかぶせて封印された伝説の剣、斬妖剣(ブラストソード)であることが判明。
以降、終盤まで活躍するほどの魔剣としてガウリイに活用され、第三部においても随所で活躍している。
ちなみに、なぜ鋼の剣にわざわざ伝説の剣が隠されていたのかというと、この剣、邪剣ととらえていいのか、魔剣ととらえていいのか判断に悩む代物で、周囲の魔力を吸収し、持ち主が必要と思う時でもそうでもないときもお構いなしに、切れ味一点に転化するという特性を持つ。
そのため、切れ味がとてもいいのは確かだが、魔族や敵対者だけでなく鞘なども斬ってしまう。
なんでも斬れるというフレーズはあるが、一応鞘に保管でき、こんにゃくなどで止めることが可能な斬鉄剣が可愛く見えるほどの問題児であるため、鋼の剣を鞘代りにして切れ味を抑え、保管などができるようにしたという、いわば苦肉の策。
一応、勇者と呼ばれても否定できないほどの剣技の腕前と、下記の処置などが行えるだけの魔術の知識が要求される武具なので、伝説の剣と呼べなくもないのだが、剣を嗜んでいる戦士はおろか製作者ですら迂闊に触れられない紙一重ぶりに、一部の登場人物から製作者の知性などを疑問視されたことも。
第三部では、人間に読むことはできないものの、上記の能力のためだけに髪の毛よりも繊細な文字で無数の魔術が記されている事が判明、製作者の変態っぷりがさらに高まった。
設定資料集の『スレイヤーズりーでぃんぐ』によると、本来は赤の竜神スィーフィードの武器の一つとされており、対シャブラニグドゥを想定して作られた可能性が高い。
これには本編でも指折りの剣士であるガウリイも、剣にも魔法にも精通しているリナも困ったようで、他の術者に切れ味を抑えるための処置(第二部では常時切れ味を落とす魔術を、第三部からは鞘の方に仕舞っている間だけ切れ味を落とす魔術)をしてもらった。
ただし、欠点こそひどいものの、吸収する魔力が高ければ高いほど攻撃力が増していくため、持ち手の意志力を刃に変えるゴルンノヴァ以上の攻撃力を持つ。
(実際、作中では光の剣以上の頻度で決め手となっている)
特に、魔力の塊である魔族には致命的といってよく(吸収するのが「周囲の」魔力であるため、攻撃対象の魔力も切れ味に転嫁される)、魔王シャブラニグドゥですら「魔力が豊富な環境で直撃を喰らえば自身もタダでは済まない」と自ら認めている。
また魔力を吸収するという能力の副産物的機能として、人間には知覚不可能な精神世界面からの攻撃に対し微かな反応を示すらしく、ガウリイは持ち前の人間離れした感覚をもってその反応を捉え、精神世界面からの攻撃を斬り払うという神業を見せている。こんな活用ができるのは彼だけであろう。
本格登場が第二部終盤とあって出番自体は少なかったが、出会うべくして出会った剣と使い手というべき相性の良さが描写されており、2019年より始動した第三部でも更なる活躍が期待される。
余談
実際の登場はかなり後だったが、名前だけは上記の通り「すぺしゃる」の初期から登場しており、そのためかSFC版をはじめとするスレイヤーズのゲーム版ではガウリイの武器として何度か登場している(ただし、「スレイヤーズろいやる2」に出てくるのは、同名の別の武器)。