概要
横山了一氏による漫画作品の一つ。
氏のいくつかの別タイトル作品と舞台を共有しており、見た目は怖いが心優しく家庭的な漢たちが多く登場する。
あらすじ
母親から新しい父親を紹介されたリュウ。
よく暴力を振るう実父の姿を見てきた彼は、今度の男もそうだったら自分が母親を守らなければと決心していた。
そして現れたのは、想像以上に凶悪な人相の男。しかし見た目とは裏腹に心優しいその男は、やがて大切な家族の一員になっていく。
登場人物
横山作品のうち、主人公の郷上家(西寺家)と同じアパートで暮らす親子とその友人、親類をまとめて掲載する。
新しいパパがどう見ても凶悪すぎる
- 西寺リュウ
主人公の小学生。ミヤコの息子。
トラノスケを警戒してその人となりを観察しているうち、その優しさを知り徐々に打ち解けていく。
信頼関係を築いてからは考え方が前向きになり、なかなか結婚に踏み切れない「両親」の後押しをしたり、父親としての責任を果たせているか悩むトラノスケを励ましたりと助ける側にも回るようになった。
- 西寺ミヤコ
リュウの母親。仕事先でトラノスケと出会う。バツイチとは思えないほど純情。
前夫によるDVやモラハラによって「主婦は家事をしないと捨てられる」という強迫観念を抱いているため、自分のしたい事を我慢しがちであり、体調が悪くても無理して家事をしようとしてしまう。しかしトラノスケ兄弟やリュウのサポートにより、無理せず人に頼って休んだり、趣味の絵に時間を使ったり、レジャーで思い切り羽を伸ばしたり出来るようになってきている。
- 郷上トラノスケ
ミヤコがパート先で知り合った後夫。ライオンの鬣のような髪形をした厳つい大男。見た目以外は極めて温厚な男の中の男。親がいない家庭で弟たちの世話をしてきたので家事スキルが非常に高い。
家族団欒をとても大切にしており、家事を積極的に手伝ったり代わったりしてくれる上、継子のリュウにも一緒に遊んだり勉強を手伝ったり、何か問題があればきっちり叱ってくれたりと愛情を注ぐ。家庭外でも進んで人助けをする聖人。
恋愛経験がほぼ無いらしくかなり初心で、ミヤコさんとの仲を話すときは凄まじく照れる。
郷上兄弟のヤンキーじみた外見は彼のファッションセンスらしい。
- 郷上アイカ
トラノスケとミヤコの間に生まれた長女(リュウの異父妹)。
- 前夫
リュウの実父。離婚前は家事育児を含めた家の事を全てミヤコに押し付け、二言目にはミヤコの自由意思を否定する上に酒に溺れてDVを繰り返し、リュウにも父親らしいことはほとんどしなかった。挙句多額の借金を押し付けて消えた、家庭人としては見下げ果てた人物。再婚しようとたびたびリュウの家に踏み込もうとする。
ミヤコと交際するトラノスケに敵愾心を抱くが、腕っ節でも器の大きさでも敵わないことを悟り手を引いた。
- 粕谷
西寺家にやって来た取り立て屋。初登場時ミヤコは既に返済額を揃えていたが、トラノスケにビビッた粕谷は退散してしまう。再登場の際、ご祝儀代わりに借金を帳消しにしてくれた。
- 郷上メアリ&麗之介&珍之介
トラノスケの妹&弟達。麗之介と珍之介は腹違い。白ジャージを愛用している。
トラノスケとアイノスケに育てられただけあって、この人達も見た目は怖いが朗らかでフレンドリーな人物。
- 水沢アリサ
リュウの同級生の少女。家も近所。
トラノスケがやって来る前からリュウの家庭を心配していたが特に接点はなかった。
リュウがトラノスケ兄弟に襲われていると勘違いして助けに入ったのをきっかけに友人になった。
- ユウキ
リュウの同級生の少年。家がお金持ち。
初見でトラノスケ兄弟を「賑やかで楽しい」と気に入った珍しい人物。
イマイチな夫婦
- 今市修二
西寺家の隣に住む男性。ルックスもセンスも平凡だが、妻へ一途に愛情を注いでおり、不器用ではあるが気配りを欠かさない。
- 今市サチ
修二の妻。修二とは大学時代からの付き合いで、趣味やセンスがかなり似通っている。
出産の時にアイノスケ達に世話になった。
新しい幼稚園の先生がどう見ても凶悪すぎる
- 郷上アイノスケ
トラノスケの次弟。見た目は兄とは別のベクトルで凶悪で、もはや世紀末の人(北斗の拳的な意味で)。しかし性格は純真無垢で無邪気。兄と同じく家事や育児のスキルが高いが、勉強は苦手。
胃が弱く、緊張したり驚いたりするとすぐに腹痛が起きるため漢方薬を携帯しているが、その飲み方がいかにもな感じなのでよく職質される。バイトもこれが原因ですぐクビになる。
それでなくとも挙動不審であり、会う人会う人尽く怯えられたり怪しまれたりしている。
いつもサングラスをしているが、外すととてもつぶらな瞳をしている。
トラノスケとミヤコが恋人だった時期は無職だったが、二人の結婚後幼稚園の保育士に就職。相変わらず見た目で誤解されまくっているが、持ち前のピュアさと子供目線の発想で園児を上手く導き、園児のみならず職員の支持も得ていく。
当初は(作者的には)一発ネタのキャラのつもりだったらしいが、反響が凄まじかったのでレギュラー入りとなった。
- 七尾あずさ
幼稚園の女性保育士。アイノスケの同僚。
例のごとく見た目でアイノスケを警戒するが、彼のピュアな人柄に徐々に惹かれていく。
保育士の仕事が好きなので、結婚後も続けていきたいと思っている。なお料理は苦手。
- 園長
アイノスケの善良さを見抜き、保育士として採用した人物。
新しいパパがどう見ても不器用すぎる
- 蛇嶋
トラノスケの学生時代からの友人(?)。非常に目つきが悪いが愛妻家。トラノスケ宅の上の階に引っ越してきた。
腕っ節が強く、ケンカの強さはトラノスケと互角だった。
学生時代からトラノスケにライバル心を持ち続けている。ミヤコと結婚したトラノスケに再会して以来、その対抗意識を「彼より幸せな家庭を築く」事に燃やしており、トラノスケに絡んでは嫁自慢をしてくる。一方で母子家庭でいつも一人で食事していたことから純粋に家族一緒の食事への憧れが強く、よき夫、よき父になろうと懸命である。
トラノスケとは対照的に、連れ子のユアへの接し方はやや乱暴で不器用。そのため反発されることが多く、そんな時は郷上家へアドバイスを仰ぎに行く。
趣味はドラム演奏。悲しくなると猛烈に叩きまくる。
- カノ
ユアの母で蛇嶋の妻。カチューシャを付けておりゆるふわな雰囲気を纏っている。
蛇嶋に会うまではクズ男ばかりにひっかかり酷い目に遭っていた。
- ユア
カノの息子。
母が連れてくる男がどれもクズだった経験から蛇嶋のことも信用しておらず、拒絶する態度をとっていたが、彼の不器用ながらも懸命な姿を徐々に受け入れていく。
蛇嶋と打ち解けるにつれて、当初は死んでいた目に光が宿っていっている。
怪しい叔父に引き取られた子供たち
- 浜井タイゾウ
保育士志望の青年。人間関係が原因で挫折し引きこもっていたが、姉の子供を引き取ったのをきっかけに社会復帰した。
育児スキルは折り紙付き。当初はコミュ障らしいどもりや挙動不審が出ていたが、子供たちを巡る様々なトラブルを乗り越えるうちに彼自身も精神的に成長し、顔つきも体つきも引き締まっていく。
- コハル
タイゾウの友人。戦国コミケの今野武士の友人でもある。
典型的なオタクの外見と口調をしており、アイノスケ同様常に舌を出している。
その一方で資産運用で巨万の富を築く、大手漫画サークルを運営する、ボクシングジムで鍛えた素早いパンチが得意など兎に角ハイスペック。おまけに周りへの気配りも欠かさないため女性にもモテる。
運転が荒い上に感極まっての脇見が多く、ほぼ毎回事故る。その癖運転したがるため、その話題になると友人達は逃げる。何故免許取消しされないのかは謎。
彼にとって車は消耗品であり、敷地に大量のストックを駐車してある。
コハルキという同じくハイスペックな従弟がおり、セットで登場することも多い。
- 浜井エリカ
タイゾウの姪。かなりの美少女。弟のスバル共々タイゾウに引き取られる。
幼い頃から母子家庭でネグレクトを受け続け、誰に対しても心を開かなくなっていたが、懸命に自分を守ろうとするタイゾウの愛情に触れて明るさを取り戻す。
最終的にタイゾウの養子になる。
- エリカの母
タイゾウの姉。引きこもりの弟を見下している。
普段は遊び歩いており子供には全く構わず、再婚のダシにする時だけ都合よく利用する毒親。
ちなみに再婚相手として目を付けた2人の男はいずれも善人で、破談となった後もエリカに親身に接している。