概要
2017年12月より電撃文庫より刊行されているライトノベル作品。
2020年12月現在既刊5巻。
並行してリュウコミックスにて、内々けやきによるコミカライズが連載されている(既刊7巻)。
勇者によって魔王が倒された世界を舞台に、元勇者が人助けの旅を続ける痛快ファンタジー作品。
随所に重いテーマをはらみながらも、ノリの良いキャラクターたちが小気味良く話を進めてくれるため、読みやすい作風に仕上がっているのが特徴。
カクヨムの特設ページに小説第1~2巻の内容一式+特別エピソードが掲載されているので、購読を迷っている方にはまずこちらをお勧めする。
あらすじ
世界を滅ぼす魔王との、最後の戦い。どうしても負けられぬその戦いで瀕死の重症を負った勇者アルヴィスは、最後の手段・死霊術までも使って戦いきって……スケルトンになっちゃった!?
それから三年後。魔王討伐後の処理を仲間へ丸投げした勇者改めスケルトン・アルは、平和になった世界でニート生活をエンジョイしていたのだが……
『い・つ・ま・で・遊び惚けとんじゃアルヴィスー!』
――世界が彼を放っておくはずもなく。
魔王が倒された後の世界で、それでも助けを求めている人はいる。骨になっても心は勇者!
コツコツ世界を救っちゃう(※骨だけに)、お気楽異世界ファンタジー!
(電撃文庫公式サイト「昔勇者で今は骨」作品紹介 ストーリーより)
登場人物
主人公
- スケルトン・アル / アルヴィス・アルバース
本作の主人公である、生前勇者だったスケルトン。前頭骨に一房残った青髪が特徴。
かつての勇者の仲間たち
- イザナ
勇者アルヴィスの元仲間である神官の女性。元は魔王軍の死霊術士だったが、アルヴィスに救われたことで改心。現在のアルの姿は彼女の死霊術によるもの。
魔王討伐後はエイン王国に身を寄せていたものの、ある思惑から突如消息を絶つ。フブルからそのことを聞かされたアルは、彼女の行方を追う為に旅立つことになる。
- フブル・タワワト
勇者アルヴィスの元仲間である大魔導師。現在はエイン王国の魔導宰相でもある。
魔法により普段は10歳前後の少女の外見で通しているが、実年齢は不明。
アルヴィスの才を見出し、勇者へと導いた師でもあるが、結果的に世界を救う為とはいえ彼を犠牲にしたことを悔いており、人類全体に目を向けた後進育成に力を入れている。
- マガツ・ヤギュウ
東国ヤマ出身の豪放な老剣士(サムライ)。魔王討伐後は祖国に帰国した。
アルヴィスの才能と素質を見込み、本来門外不出であったヤギュウ流を伝授した。
アルが出会った人物
- レヴァ
ティグ村出身の行商人の少女。自身の護衛依頼をアルが引き受けたことで知り合う。
都合2回も故郷を救ってくれたアルに好感を持ち、行動力と情報網を生かした協力者となる。
- ミクトラ・クート
赤髪の見目麗しい冒険者の女性。野盗調査依頼の遂行中に別の依頼でやって来たアルと邂逅、窮地を救ってもらったのを切っ掛けに意気投合する。
凛々しい雰囲気の中にどこか険のある印象をまとう一方、後述の理由から勇者アルヴィスを崇拝しており、彼のことになると途端に饒舌になる勇者オタクな一面も。
実は貴族の出身で本名は「ミク・ト・ランテク-ト」。かつてアルヴィスとの縁談が持ち上がっていた令嬢の一人で、彼女自身もまんざらではなかったらしい。
- プーチ
港町セクメルのスラムで暮らす齢5歳ほどの少女。スラムを訪れたアルに臆せず懐き、その縁でしばらくの間奇妙な共同生活を送る。
アンデッドとしてなお生き続ける自分の存在意義を問われたアルに、何気ない無邪気な言葉で導きを与えた「心の師匠」。
- ハルベル・エリュズ
エンデ村に住む黒髪の少女。村周辺の魔物の異常発生により、陸の孤島と化したエンデ村を救って欲しいとアルに懇願する。
- ダイス
姉ルーラットと共にパルムック村で暮らしている黒髪の少年。ルーラットによると生後三年とのことだが八~十歳ぐらいの容姿をしており、アルに肉薄する程の戦闘力を持つ。
アルとは何やら因縁があるようなそぶりを見せるが……
神族
- 光明神マルドゥ
人類最大の宗教組織『マルト教』に崇められている最高神。「正義と光と風の大女神」とも。生前のアルヴィスに神聖剣スカットゥルンドを与え、行く先々で神託を授けた。
マルドゥ自身はアルヴィスをいたく気に入っている様子で、彼が結果的にアンデッドとして生き永らえたために、自身の側神に召し上げる目論見がご破算になったことを嘆いている。
関連タグ
週刊少年チャンピオンで連載中の、ルパン三世のスピンオフ作品。
本作に関わった佐伯氏、白狼氏、内々氏がそれぞれ脚本、オリジナルキャラクターのデザイン、コミカライズの作画を手掛けている。