概要
逮捕と違い、こちらは被疑者の身柄を拘束せず、警察が書類や証拠物を検察に送るのみの措置。
いわゆるマスコミ用語であり、法律上の用語ではない。
警察が事件の捜査を行った場合、全ての件について送検することは法律上の義務であり、送検されないということは想定されていない。
そのため、書類送検されたことは「手続が進んだ」以上の意味はない。
被疑者が冤罪であることが判明した場合や「被害届を受理したので捜査したが、事件性は無かった」でも、書類送検は行われるのである。
警察が「事件性は有るが、被疑者を有罪に出来るのは無理そう」という意見を付けた場合でも書類送検になる。
なので、警察が検察に「被害届を受理したので捜査したが、事件性は無かった」と報告した事を、被害届を出した側が「被疑者が書類送検された」と言うのは嘘ではないが「消防署の方から来ました」的な、わざと誤解を招く言い方をしていると思って間違いない。(「事件性は有るが、被疑者を有罪に出来るのは無理そう」の場合に書類送検と称するのが是か非かは更に話がややこしくなる)
「任意捜査の原則」により、身柄を拘束せずに在宅で捜査するのが原則なので、検察庁への送致も「書類送検」が原則であり、例外的に逃亡や罪証隠滅の可能性が相当程度以上ある場合に身柄付送致となる。
報道される事件においては、軽い事件や交通事故が目立つ。
こうした事件の場合逮捕自体がされないことから、書類送検が目立つイベントとして報道されやすいためであろう。
その際書類には警察側からの意見がつけられ、「厳重処分」(起訴を求める)、「相当処分」(検察判断に委ねる)、「寛大処分」(起訴を求めない)、「しかるべき処分」(時効成立、被疑者死亡など)と言う形で求める処分の厳しさが分けられる。
なので、書類送検=軽いとは一概に言えないこともある。
もちろんその後の刑事処分がどうなるかは検察が事件を精査した上での判断待ちであり、事件により不起訴や起訴猶予になることもあれば、在宅起訴されることもある。