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日本では起訴された後,勾留されている被告人について,保釈保証金(俗に「保釈金」)を国に預けることと引き換えに身柄の拘束を解除すること。

起訴前の,逮捕や被疑者勾留により拘束中の者には保釈は認められていない。

裁判所の判断で,居住する場所の制限や,旅行の制限,事件関係者への接触の制限などが付されることもある(保釈条件などと言われる)。


保釈保証金の金額は定まっておらず、100万円未満のこともあれば、1億円を超えることも。史上最高額の保釈保証金は20億円。一般に「被告人が没収されたら嫌がる金額」「保釈金を捨ててまで逃げようとは思わない金額」が保釈保証金の金額となるので,重い犯罪の場合や,被告人が金持ちの場合は高く,軽い犯罪の場合や被告人が貧乏の場合は安くなる傾向がある。なお現金だけでなく、有価証券や「保証書」による納付も認められる。

そして保釈保証金というのはたとえ被告人が有罪判決となっても没収(刑訴法では「没取」という)されることはなく,裁判が終わるなどの理由で保釈やその基礎となる勾留が失効すると返還される。

保釈金が没収されるのは

  • 正当な理由なく裁判に出廷しなかった場合
  • 逃亡する或いは逃亡のおそれがある場合
  • 証拠を隠滅した場合
  • 被害者・証人に危害を加える、危害を加える恐れがある場合
  • 保釈の制限に違反した場合

の何れかに当てはまる場合で、これらのどれかに一つでも当てはまると保釈が取り消され,保証金も没収される。

保釈保証金没取決定の最高金額は2019年末に保釈の条件を破って国外へ出国したカルロス・ゴーンの15億円。

それまでの没収最高金額はイトマン事件の主犯である許永中の6億円。


なお,保釈の請求があると,裁判所(官)は,刑訴法所定の保釈不許可事由が認められない限り,必ず保釈を許可しなければならず(権利保釈),裁判官の裁量で保釈請求を却下することはできない。逆に保釈不許可事由があっても裁判官の裁量で保釈を許可することはできる(裁量保釈)。



ちなみに,よく釈放と混同されるが,釈放とは単に「拘束されている身柄を解放する」という意味でしかなく,釈放されることと,罪に問われるか否かとは別問題である。

釈放されるのは,保釈による場合のほか,逮捕後勾留がされなかった場合,勾留中に病気や近親者の葬儀出席のために勾留の執行を一時的に停止した場合,勾留の必要がなくなったので勾留を取り消した場合,勾留期間が満了した場合,執行猶予や罰金刑に処する裁判の宣告により勾留が失効した場合,裁判で実刑判決を受け,刑務所などの刑事施設に収監されていた受刑者が刑期満了などを理由に刑事施設を出る場合など様々である。

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