CV:木下紗華
概要
『薬屋のひとりごと』の登場人物。
梨花妃によく似た容姿をもつ若い女性だが、気品があり、やわらかさを感じる梨花妃よりも、よりきつい目をした女性である。
梨花妃とは従姉妹、皇帝に連なる一族(皇族)の娘であり、ともに次の皇帝の母(国母=皇太后)になるための教育を受け、後宮に入った。
国母になれるだけの教育も資格も自分が梨花妃よりも上回ると考えていたが、現実に皇帝の寵愛を受けて子をなしたのは梨花妃であり、杏ではなかった。
このことは杏のプライドを傷つけ、小さいころともに学んだ梨花妃を妬むようになっていった。
杏の悪意は水晶宮に仕える侍女や下女にも及んだ。杏が選んだ侍女は世間知らずの良家の子女が選ばれ、病気にかかった下女は離れの倉庫に隔離される冷たい仕打ちを受けていた。
杏に選ばれた侍女や水晶宮で働く下女たちは彼女の冷酷な性格に怯える一方、気品とやわらかさ、優しさを感じる梨花妃に対しては崇敬する皮肉な結果となった。
そして、梨花妃懐妊の報告を受けた杏は企みを実行に移す。
薬草によって作られた各種の香水を調合することで堕胎剤を作り、梨花妃を堕胎させようというのだ。これらの薬剤の1つ、1つは強い効果もなく人に害をなすこともないが、それらを配合することによって堕胎の可能性が増す。薬の知識がある猫猫にしか思いつかない方法であり、猫猫でさえ「証拠もない可能性の一つ」にすぎないと考えるものだった。
が、これらの企みは水晶宮で働く下女が離れの倉庫に隔離されているところが猫猫と虞淵に見つかり、杏に不審な点が見つかったことで明るみに出る。
猫猫、梨花妃、壬氏、高順の尋問を受ける杏、彼女はかけられた容疑を「証拠がない」と否認するが、猫猫にすべてを暴かれ思わず自白してしまう。
裁きを申し渡すことになり、本来なら「皇帝の子を殺そうとした罪で死罪」と壬氏が答えたところ、梨花妃は「主に対する暴言罪」に減刑し解雇、後宮からの追放にとどめられた。
猫猫は「後宮から不名誉なことで追い出された彼女は、もう二度と梨花妃に並び立つことができなくなっったことで、最も屈辱的な罰を受けた」と評している。