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cv:遠藤大智

概要

髭を生やした中年男性、34歳。物語の舞台となる「(リー)」の皇帝で周囲からは主上と呼ばれることが多い。今の所名前は明らかになってないが「華」がつくと思われる。

壬氏の兄(ということになっているが真相は…?)で彼に皇位を継承して欲しいと考えている。猫猫には豊満な胸好きの好色親父と思われているが実際の所は情に厚く気さくな性格をしている。猫猫の事は弟が好意を寄せている女性として見ており何かと構っている。

阿多妃とは幼馴染の乳母姉弟の関係で皇帝にとっては特別な女性である。

他にも壬氏の従者にして養育係であった高順や、現在の上級妃のひとりである里樹の亡き母とも幼馴染である。里樹を妃に迎えたのも、父に冷遇されエロじじいに妾として嫁がされそうになっていた為に、哀れに思った阿多と共に縁談を潰すための保護目的で妃にした。そのため互いに親子のような間柄と思い手を出す気が全くないが、それが返って里樹が周囲から軽視されいじめられる原因となっている。

この手の作品では珍しく、無能ではなく有能な人物。人道的な政策をとることが多い。あまり仕事をしてる描写はないが国のシステムが整っているため積極的に仕事をする必要がないだけである。

実際に父である先帝はおよそ国の統治者に全く向かない気質であり、実際に実権を握っていたのはその母である皇太后こと「女帝」だった。先帝は母へのトラウマから成人女性を受け付けず幼女趣味になっており、現帝の母である皇太后は10歳にも満たない歳で息子を産んでいる。そんな父を見てきた反動からか、為政者として相応しい人物になろうと勤めてきた。

自身の東宮時代の末期には、茘の国(特に祖母の精神状態)は相当にヤバい事になっていたらしく、そのために女帝と先帝を必死に牽制しようと務めていた模様。しかし対策は頭打ちとなり苦しんでいた所に、とある盤面遊戯の名人と出会う事となり、彼と盤面を打つ事で女帝と先帝を追い落とすための様々な策を貰ったという。猫猫が嫌いな奴が後宮の壁を破壊するというとんでもない事をしでかしても修理費だけで済んだのは、皇帝の後ろ盾が大きい(弱みを握っているともいう。ちなみに、それを知った猫猫はバッサリと「ろくでもねぇ同盟(を組みやがって)」と感想を漏らした)。

他にも実母である皇太后安氏の実家も外戚として政治に口をよく出してくるため、かなりうざがっている。当の安氏は実家と不仲で政治にも関心がないため実家の口出しを無視しており、そこはまだ幸いと思っている。

19年ほど前に阿多との間に公子が、近年3人の子どもが産まれているが、いずれも早くに亡くなっている。現在は玉葉妃が娘の鈴麗と第二子の男児がおり、梨花妃は第一子の男児を亡くしその後第二子となる男児が生まれている。

男児を産んだのが玉葉妃の方が僅かに早かった事、西との関係を強化したい政治的な理由に加え、梨花妃は皇帝家の縁戚であり血が近くなり過ぎるのを避ける為に、玉葉妃が産んだ皇子が東宮となり玉葉妃が正式に皇后となった。しかし東宮の皇子は玉葉妃に似て異国人の外見が濃く出ている為に、反対する声も少なくないらしい。

壬氏との関係(ネタバレあり)

実は壬氏の兄ではなく本当の父親である。

当時、東宮だった自身の妃阿多の第一子の出産と、自身の母である皇太后(当時は皇妃)の第二子の出産が運悪く重なってしまった。阿多は難産であったが、女帝にとって大切なのは息子の子どもの方であり、出産に立ち会っていた医者の羅門は皇妃の出産を優先するようにと連れて行かれてしまった。阿多は何とか出産はできたものの、二度と子を望めない体となってしまった。

そんな出来事から阿多はこの立場では我が子は蔑ろにされてしまうと思った。一方の皇太后も第二子に関しては自分への興味を失った先帝を憎み彼の尊厳を踏みにじり屈辱を与える事を目的に、半ば逆レイプした末に身籠った子であり、我が子を愛せなかった。そんなふたりの母の思惑が一致したことで、同じ時期に生まれた二人の赤ん坊は入れ替わった

本物の皇弟が亡くなった際、阿多と皇太后の様子がおかしかった事、阿多を国母にするという約束を果たせなくなったのに彼女が自分の元から去らなかった事から入れ替えに気づくも時すでに遅し。

まだ若かった皇帝は半ば憂さ晴らしのためヤケクソ気味に、入れ替わりに気付けなかった(あるいは気付いていても、あえて黙認していた)羅門をムリヤリ表向き「息子を死なせた罪」に問い、肉刑にして追放した。さらにとばっちりは羅門の出自である「漢の羅の家」にまで及び、結果として羅の家の長男は都から追い出されて何年も帰る事はできず、その妻となるはずだった女性も苦界に身を置き後にはに倒れる羽目となり、そしてその娘も自らの真の出自を知らぬまま平民(以下)の子として花街に育つ事となった。

皇帝にとって、壬氏は真の東宮であるのと同時に、最も愛していた阿多との子という事もあり、思い入れが深い。そのためまだ幼い東宮ではなく、壬氏を次期皇帝にしたいと思っている。実際に幼馴染の高順を養育係に、自身の乳母であり阿多の実母である水蓮(壬氏にとっては祖母にあたる)を養育係としての乳母につけており、大切に思っている事が覗える。猫猫は自分ですら壬氏と阿多が似ていると気づいているのだから、高順や水蓮たちも壬氏が皇帝の息子だと勘付いているのだろうと推測している。

また皇帝が盲腸の手術を受ける直前に話をするために呼んだのは、正妻である皇后の玉葉ではなく阿多と壬氏(と阿多に巻き込まれた猫猫)であり、皇帝がいかに二人のことを特別に想っているかが覗える。

しかし、そんな事情を知る由もない壬氏は皇帝になることを嫌がっている

過去に東宮から皇帝になった際、「皇帝にはなりたくない」と駄々をこねられた上、賭け碁をして負けてしまう(後に「あれ程後悔した事はない」と壬氏本人に愚痴る)。

結果その意趣返しもあってか、自分の息子に身分を偽らせ、「代わりの東宮が生まれるような場所に作り直せ」と命じる事になる。(それでも諦めきれず度々催促して、業を煮やした壬氏は暴挙に出るのだが…)

さらには、そんな我が子が想いを寄せる娘が、よりによってその子が生まれたが為に苦境に堕とされた娘(しかも恩人の実の娘と言っていい人物)である、という事実は全てを知る者であれば、もはや皮肉にも程がありまさに因果因業と言うほかはない。

阿多妃ともども猫猫の事を何かと気にかけているのは、単に息子の想い人というだけではなく、そうした「自分たちの事情に巻き込んでしまった(そのために猫猫から『羅の家のお嬢様』としての本来の立場や受けられるべき教育の機会を奪ってしまった)」が故の後ろめたさや償いの気持ちも多少はあるものと見られる時もある。

結局のところ壬氏に幾度となく拒まれ、その心の内を解っていてすら幾度となく彼を帝位に据える事を画策しているが、これは自らが東宮として生まれ帝位についている(産まれる前から生きる道を定められており、そこから離れる事が許されなかった)事から我が子を幸せにする方法を他に知らない(思いつけない)事が大きい。

ちなみに例の変人軍司どのからは常々、との件について事ある毎に、チクチクネチネチと慇懃無礼に愚痴られ、ビミョーにダメージが溜まっている模様。こう、なんというか不敬になるかならぬかのトコロを的確に突いてくるものだからタチが悪いらしい……が、自身も息子の事を愚痴っているのでお互い様といえばお互い様でもある。やっぱり(娘と息子の立場からすれば)ろくでもねぇ。

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父親

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