概要
夏組第七回公演「+3 Ghosts」に登場する木津浩成(演:斑鳩三角)×望月蒼(演:三好一成)のカップリング。みすかず派生CPのひとつ。
ストーリー
ダンス部の木津浩成は怪我をして満足にダンスができない。同じダンス部の土田聡介にコンクールのチーム分けがあるが部活はどうするのか、これ以上休むなら休部しろと顧問が言っていたと言われ、それなら休部すると答える。リハビリをサボって病院の周りをうろついていると、下手くそなダンスをしている夏川空と出会う。
浩成「そこ、ステップおかしいだろ」
その呟きが聞こえた空は、自分に言ったのかと驚く。ステップを教えてくれた浩成に、空はダンスを教えてくれと頼む。学校に通えないという空に思うところがあったのか、浩成は承諾する。
次の日、空はダンス仲間の水島湊と望月蒼を連れてくる。
蒼「なあ、本当に大丈夫?」
湊「あ、あの、聞こえてる?」
浩成「バカにしてんのか」
湊「ち、違うよ!」
蒼「すげー、本当に大丈夫なんだ!?」
浩成「いや、だから何がだよ……」
浩成は二人の態度に首を傾げるが、空に促されて練習を始める。
浩成「え、待って待って、蒼、何、え、何?」
蒼「何?え?え?」
浩成「いやいや、それはこっちのセリフだから!なんでそんなフワッフワしてんの!?」
蒼「え!?うそ!?フワフワしてる!?」
浩成「めっちゃしてる。むしろ浮いてる」
蒼「ごめん!ちょっと重力忘れちゃった!」
浩成「そんな忘れ物あるか!?」
浮いたように見える蒼や時折影が薄くなる湊を気にしつつも練習を続ける4人。
浩成「結構いい感じになってきたじゃん。今までダンスやってた?」
空「あー、うん。みんな学校は違うけど、ダンス部だったんだ」
蒼「浩成のおかげで勘が戻ってきたかも」
湊「浩成もケガした足動くようになってきたよね」
浩成「まあ、お前らに合わせてると、リハビリにちょうどいいし」
快復してきた浩成は、聡介から部活に出てこいと言われるが考えておくと返す。
いつもの練習場所で、3人にダンス部に戻らないのかと問うと、彼らは学校に通えないからと答える。
蒼「浩成はダンス部?」
浩成「ケガで休部してるけど、一応」
蒼「いいな〜。全国ダンスコンクール出ないの?」
浩成「わかんねー。メンバーに選ばれるかわかんないし」
自分も出たかったと口にする空に、だったら4人でチームを組めばいいと提案する浩成。聡介に報告すると勝手すぎると怒られるが、浩成は部活での出場を断る。
いつもの練習場所で一人で振りを考えていると、息子がダンスが好きだったという男性が見学させてほしいと声をかけてくる。彼は息子は何年も前にダンスをやめたと話した。
浩成「ちょっと休憩」
蒼「え、もう?」
お前ら体力あるよな、と言う浩成。
蒼「体力っていうか体の概念がないから無限みたいな〜?」
浩成「なんだそれ。っていうか、お前ら、コンクールまでには退院できるんだよな?」
コンクールにはどんな手を使ってでも出るという3人に、それならいいが夏休み中も入院じゃどこにも行けなくて最悪だよなと浩成は言った。その言葉に湊が学校に行きたかったと言うと、抜け出して行こうと浩成が提案する。
4人で夜の学校に忍び込む。幽霊が出そうだというと空は大袈裟に反応した。
中学から不登校だった湊は高校でダンス部に入ってやっと学校に通えるかもと思い、コンクールを目指そうと思っていたという。
すぐ退院して通えるだろと言う浩成に、今度は蒼が声を上げた。
蒼「あ、だったら、オレ花火見に行きたい!」
浩成「来週やるじゃん。見に行く?」
蒼「ほんと!?」
花火大会当日。
浩成「めっちゃ混んでるな。ぶつかりそう」
蒼「ほんとだ」
湊「すごい人」
浩成「って、お前らスイスイ進みすぎじゃね!?すり抜けてるみたいだし、どうなってんだよ!?」
そんな彼らを見かけた浩成のクラスメイト・薄田悠馬はなぜか悲鳴を上げて逃げ出す。変な奴だと話していたら花火が上がる音がした。
蒼「あ、花火だ!」
浩成「って、木で全然見えねー!」
空「あはは。音だけ聞こえるね」
浩成「移動しようぜ」
蒼「いいよ、いいよ」
浩成「花火見たかったんだろ?」
蒼「これでも十分楽しいし。オレ、友達いなくてさ。中学んときに仲いいやつに無視されて以来、友達作んのが怖くて、ダンス部でもずっと一人だった。だから、こうやって友達と一緒にダンスしたり花火見たりできるのが、すげーうれしい」
浩成「そっか……よかったな」
2人の願いを叶えた浩成は、空にやりたいことを訊く。家族に会いたいという空のために浩成は色々画策するが、怪しまれてしまう。空に会わせる約束で父親を連れ出したが、空は頑なに会えないと言う。その時、蛍が一斉地辺りを舞い始めた。
蛍を見て納得した父親と、空からお礼を言われて戸惑う浩成。あとはコンクールに出られたら思い残すことはないと言う。
登校日、花火大会で見かけた薄田が撮ったという心霊写真をクラスメイトから嘘だと笑われていた。スマホを取り返してやると、薄田から浩成に死んだ人の霊が憑いていると言われる。バカバカしいと一蹴したが、病院で再会した空の父から空の「遺品」を渡されてようやく3人が幽霊だと気づく。5年前、同じバスに乗っていてダンスコンクールに向かう途中でバスが横転して助からなかったという話を聞かされる。
蒼「ほら、幽霊っぽいだろ。っぽいっていうか、幽霊やんだけど」
浩成「マジかよ!なるほど!?」
幽霊ではコンクールに出られないと諦めかける3人。
蒼「ごめん、浩成……」
浩成「何、諦めてんだよ!お前ら、コンクール出たいんだろ!?絶対出るからな!」
そうして聡介に誰か自分たちのチームに入ってくれる奴はいないかと相談すると、浩成と出たいと思っていた聡介自らが入ってくれるという。
そして薄田に他の人に幽霊が見える方法を相談し、念写をスクリーンに映すことを思いつく。
当日、5人で舞台に立ち、浩成たちのチーム「+3Ghosts!」は審査員特別賞を受賞する。
浩成「ほら、お前らもトロフィー持って――って持てないのか」
蒼「あはは。触ってるふり〜」
みんなで最後に写真を撮って、3人は別れの言葉を告げる。
空「ありがとう、浩成、聡介くん、薄田くん」
蒼「もう思い残すことないよな」
湊「寂しいけど、一人じゃなくてよかった」
浩成「え?」
空「浩成と会えてよかった」
蒼「じゃあね!」
湊「また、いつか一緒に踊れたらいいな」
その言葉を残して、3人は光に溶けて消えていった。
浩成「待てよ、おい」
状況がわからない聡介と驚く薄田を他所に、泣き出す浩成。
浩成「なんだよ、そういうことは早く言っとけよ!こっちだって心の準備したのに」
そんな浩成に、薄田がみんなでトロフィーを持っている写真を見せる。
浩成「はは、相変わらず影薄すぎだろ」
浩成の切ない笑顔で舞台の幕は閉じる。
浩成・空・湊・蒼の4人で行動している場面が多く、必然的に会話も多いカップリング。
3人を受け入れて、願いを叶えてくれた浩成に、他の2人と共に蒼も心を開いているのがよく伝わってくる。
友達を作るのが怖かったという蒼にとって、出会ってすぐから気さくに話し、根気よく練習に付き合い、2つの願いを叶えてくれた浩成の存在は大きかったと思われ、そのことが自分の過去を語るシーンに表れている。