瀬川祐太
せがわゆうた
概要
多摩文学院大学文学部国文科1年生(物語開始時点)。
路上観察研究会(通称「ロ研」)というサークルに所属している。
大学入学時の新入生歓迎コンパの際の出来事(よよよの人事件)で、それを仕組んだロ研の会長・佐古俊太郎やその『よよよの人』こと織田莱香、そして一緒に巻き込まれた同期の友人・仁村浩一と縁ができ、その後の大学の講義で莱香に一目惚れしたことからロ研への入部を決意した。
幼い頃に何らかの事故で両親を亡くし、姉・祐理に育てられてきた。
自覚症状があるくらいのシスコンで、祐理がバツ2で子連れで歳がちょっと離れている小鳥遊信吾と結婚すると打ち明けられたときは密かにその事で腹を立てており、彼女が結婚し、自分が高校に上がるのを機に彼女のもとを離れて一人暮らしを始め、姉の嫁ぎ先である小鳥遊家にも、そうした心のしこりから大学生になるまであまり寄り付こうとしなかった。
入学して最初の初夏になって、姉に「遊びに来るついでに留守中の娘たちの面倒を見てほしい」と小鳥遊家に招かれて、姉・祐理の「母としての顔」や義兄となった信吾、自分の姪である空、美羽、ひなと触れ合うことで、小鳥遊家に抱いていたわだかまりが解け始めた矢先に、その姉夫婦が海外での飛行機事故で行方不明になるという事態に直面する。
祐理と信吾が生死不明になったことで三姉妹が行き場を失くし、親戚たちにバラバラに引き取られそうになって悲しむその姿をかつての自分と重ね合わせ、「家族は一緒でなければ」という思いから保護者役を買って出た。
この記事冒頭の台詞は、そんな三姉妹に彼が、
彼女たちの気持ちをよそに淡々と進んでいく親族会議をぶった切る形でかけた言葉である。
姪3人の保護者を買って出たとはいえ、それまで生活レベルは良くも悪くも『男子学生の一人暮らし』でしかなかった為、思春期の女の子である空と美羽、保育園児であるひなと、何かと気遣いの必要な娘たちの面倒を学生生活と並行して見ていくにはどうしても目端も実力も足りず日夜その苦労と未熟を痛感しているが、そんな小鳥遊家の事情と祐太や姉妹の人柄を知って陰に日に手を貸してくれるロ研の面々を初めとする大学の仲間や、親族の中でことに祐太たちを気にかけ、厳しくも優しく後見してくれる伯母のよし子、近所付き合いから小鳥遊家と親しいお隣さんの北原栞ら、そして紆余曲折の末に打ち解けた美羽の実母サーシャなど大勢の人に助けられ、その人間関係の有難さと大切さをかみ締めつつ、姪たちとも協力し合って毎日を暮らしている。
性格
基本的に真面目、誠実かつお人好しな性格でなんだかんだで面倒見がよく、最年少のひなともすぐに打ち解けて懐かれている。
娘たちのパパ代わりとしてその愛情は本物で、その為に一生懸命努力はしているが、その朴訥な人柄ゆえに女性の心の機微には敏感とはいい難く(そこら辺に気の回る親友の仁村はため息をついている)、「お兄ちゃんのバカ」(空)、「デリカシーに欠けますよ叔父さん」(美羽)と言われ、娘に対する男親の悲哀をかみ締めるのは日常茶飯事である。
そんな不器用ではあるが優しく一生懸命な彼の人となりに惹かれる女性も少なくはなく、
彼が惚れている織田莱香も、小鳥遊家とのふれあいを通じて少しずつ祐太に対する気持ちを自覚し始めたほか、家族ぐるみの付き合いをしているお隣の女子高生北原栞、大学の同期生で彼に興味と好意を持った菅谷ミキ、愛した男・信吾と自分と親友である祐理の、大事な娘を守り通してくれている祐太に異性として愛情を抱いた美羽の実母・サーシャ、そして不器用だが惜しみない愛情を注いでくれる祐太を異性として意識している姪の空、美羽と、現在6人の女性にフラグが立っている状態である。
・・・・・・が、上述の性格ゆえにそこら辺が「にぶちん」である祐太は、自分が惚れている莱香以外に関しては、彼女たちの自分への恋愛感情をきちんと認識できていない(莱香に対しても、気持ちは向いているが奥手であるため、関係の進展は実にゆっくり。彼と結婚してもいいと公言しかなり明確にアプローチをかけているサーシャに対しても、やはりその奥手さゆえに、本気で言っていると考えようとしていない)。
この彼の鈍感さ加減には、当事者の一人である美羽や、そこら辺に敏感な親友の仁村も溜め息が絶えない模様である。