ピースサインと無表情
ピースサインの一般的なシーン
両手でピースサインを行う「ダブルピース」は、日本では特殊なケースを除いて一般に笑顔で行われることの多いボディランゲージである。
口元や目元にはっきりと笑顔の傾向や特徴が見られなくとも、その他の本人の様子(例えば頬の紅潮など)や本人の周辺の環境(同一場面にみる相互に肯定的とみられる人間関係の存在)や文脈を通してそれぞれの喜びなどを見て取ることもできることもあるだろう。
pixivでも「ダブルピース」は一般には喜びと共に、あるいは喜びの表現として描かれることもある。
例えば次のpixivisionの記事はそういった様々な「ダブルピース」を特集している。
参考:【平和・勝利の象徴】ダブルピース特集(2016年2月11日記事)
「無表情ダブルピース」
一方、そういった喜びを表情やその他のボディランゲージ、周囲の環境などからも一見しただけでは読み取れない表現の仕方もある。その一つが「無表情」である。
「無表情」とはここでは主にニュートラルな表情のことで、特定の感情が表情に現れていない、他者から観測できない状態を指す。身体表現含めトータルなものとして、あるいは比喩として「表情」が用いられることもあるが、ここでは主に「顔の表情」を示すものである。
顔全体の表情に現れていなくとも何かに耐えていたりして奥歯を食いしばっていたりすると部分に緊張が垣間見えたりするが、そういった部分による表情変化も見られないものとも捉えられるだろう。
「無表情」の類型については「無表情」記事を参照。
「無表情」にみる「感情が表に出ていない」、「読めない」様は、感情豊かなボディランゲージである「ダブルピース」とは対極的ともいえるものであり、しかし同時に、表情には表れていない先述のような感情をボディランゲージを通して知ることが出来るという段階的な感情理解のシーンともなる。これとは逆にダブルピースはフェイクで無表情が真の心理状態(「目が笑っていない」といった状況)と見ることも出来るが、pixivではダブルピースで示す喜び感情の方が真であることが多い。
「無表情」記事における類型のように、元々表情を通した感情表現が苦手、もしくはそれを行うことができない、といった場合でも、「笑ってはいないが、楽しいようだ」と無表情ダブルピースから感じることが出来るのはボディランゲージも通した他者理解・相互理解の在り方の一つとも言えるだろう。
「無表情ダブルピース」は人間の表情を視覚的に捉えることを通した人間同士の理解に他の可能性の一石を投じつつ、同時に身体表現による表情も含めた総合的な理解のあり方についても提案するものである。
pixivでも様々な「無表情ダブルピース」の様子を描いた作品が発表されているので、その新見地を体験することが出来るだろう。
と、いろいろと記述したが、「無表情ダブルピース」もまたギャップも伴う「かわいい」を体現し得るものだというのがおさえておいてほしい一番の要点である。
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