概要
『うちゅう人田中太郎』10巻5話『にせ太郎出現!?』に登場。
太郎から主役の座を奪うため突如現れた太郎そっくりな宇宙人。
活躍
「遅刻だ」と急いで登校する太郎とタカシ。案の定タカシは閉門まで間に合わなかったが、太郎は自分の頭を正門まで投げ、ギリギリセーフとなる。
ユタカ「あんな方法で遅刻しないなんてさすが太郎だ!」
その時、校舎の時計台の頂上に人影が見え、「それも今日までだ!このまんがの主役はおれがもらう!!」と叫ぶ。
彼は太郎そっくりではあったものの、矢印のような剃り込みの入った髪型、骨の模様が入った不良のようなファッションで目つきも少し悪かった。タカシは太郎に「お前の兄弟か?」と訊ねるが太郎は「知らない」と答える。
その彼は足元の垂れ幕を蹴り、「田中犬郎」と自己紹介する。太郎はと言うと(自分も宇宙人なのにもかかわらず)「宇宙人ってホントにいたんだ~!」と感激し撮影。タカシ達はタカシ達で犬郎の名前を「変な名前」と笑うが、その時太郎が「やめろよ!ひとの名前を笑うなんて!!」と割って入る。そして急に犬郎を「いぬっち」や「マイケル」などあだ名で呼ぶ。
「太郎!お前をぼこぼこにして、主役の座を奪ってやる」と息巻く犬郎に、タカシは今まで太郎が倒してきた相手を見せる。犬郎は一瞬怖気づくが、太郎の泣き顔を見て余裕を取り戻す。しかし太郎が泣いていたのは、犬郎が花を踏んづけてしまったためであり、太郎はその花に改めて水をかける。…タカシを踏んでいたことにも気づかずに。
タカシ「花に優しくするのはいいけど……、人間にも優しくしろ~っ!!」
改めて太郎と犬郎は決闘を開始。しかし太郎が拳を向けたのは校長の銅像で、なぜか動き出した校長像に殴られる。犬郎は「こんなときにも笑いを取るなんてさすが主役だ」と感心していた。すかさず太郎と同じ様に自分の頭を飛ばし「犬郎クラッシュ」を披露する犬郎。果たして犬郎の頭の角は太郎の後頭部に刺さり、太郎は「しまった…」と呟く。それは今日の宿題を忘れたことに対してだった。
その時、花子が宿題のノートを持って駆け付ける。…犬郎のもとに。(奥さんがおれを太郎とまちがえるなんて)と思い、高笑いする犬郎は花子に殴られ、月まで飛んで行った。
直後、満身創痍の犬郎が街を歩いていると、公園の砂場で遊んでいる一郎を見かける。案の定、一郎は犬郎を太郎と勘違いして駆け寄る…がミニカーを踏んでしまいまた月まで殴り飛ばされた。
タカシ達は犬郎が戻って来ないのを「びびって逃げた」、要は怖気づいたと思い教室に入ろうとするが、その犬郎は背後でロケットエンジンのついた自分の腕を伸ばし太郎にカンチョーした。太郎はその場にがっくりと膝をつくが、すかさず背中のファスナーを下ろし中の犬郎を登場させる。元の犬郎の背中にもファスナーがあり、中からは太郎が現れる。犬郎が「うでのばし1級」の資格を持つことに興味津々の太郎を尻目に、タカシは「太郎の方が長く伸ばせるんじゃない?」と。犬郎は思わずムキになり、太郎と犬郎の腕伸ばし対決が始まった。
2人は腕を地球一周するまで伸ばし続ける。そして両者同じ長さのところで止まり、引き分けか…と思われたが、爪が伸びてる分太郎が長かった。「やっぱり太郎が主役だな」と太郎を祝福するタカシ達の横で、きょう子がカバコングとぶつかり因縁を付けられる。太郎は太郎隊に変身するが、受付を作って助けてもらいたい人達を取り次ぐ。犬郎はほくそ笑み、自分も犬郎隊に変身する…がその姿はネコ郎、サル郎、ブタ郎、ゾウ郎、ハムスタ郎と動物ばかりだった。しかしカバコングは動物好きだったため、5匹ともすぐに懐かれた。
その後も2人の対決は続き、「カプセルをいくつ出せるか対決」「家運び対決」「アイドルオーディション」などを繰り広げた。そして空き地で、一番の親友であるタカシにどちらが主役に相応しいか決めてもらうことになった。
とは言え、これまで散々太郎に振り回されてきたタカシは「そろそろ主役を変えてもいいかな」と呟くと、太郎はタカシをキック。しかし土管に足が挟まり、胴体が伸びてしまった。その横で犬郎は、けがをしたタカシに手を差し伸べる。タカシは犬郎の優しさと、太郎の暴力にふれ「主役は今から犬郎だーっ!!」と叫ぶ。
と、その時。空き地の裏の建設中のビルから鉄骨が落ち、真下で土管に足を取られる太郎が下敷きとなる。
タカシは「そうか…。だからあの時おれをキックしたんだ…」と感心し、「死ぬな~っ!!」と叫んで太郎に駆け寄る。そして、鉄骨の下敷きになった太郎は…
先程角に刺さった鉄骨をシーソーにして楽しんでいた。犬郎は命がけで友達を救い、その上笑いまで取ると言う太郎を見直し、自分の負けを認めていずこへともなく去って行った。
翌朝。主役の座を取り戻した太郎とタカシが「犬郎もたいしたことなかった」と談笑しながら登校すると、またしても校舎の時計台から高笑いが。
「今日から、名わき役のタカシの座はおれがもらったぜ!!」
それは堀町ダカシを名乗り、今度は準主役の座を奪おうとする犬郎だった。
結局、犬郎はまったく懲りていなかったようだ。