概要
序幕
―――むかしむかし、ある王国にひとりの
王女がお生まれになりました。国王は王女の
ために宴を開き、七人の妖精たちを招待します。
しかし、そこへ宴に呼ばれなかった八番目の妖精が
現れ、王女に呪いをかけたのです。
王女が十五歳になったとき、糸車の錘に指を刺す
と死に至るという呪いを。
その呪いは、宴に出席していた七番目の妖精により、
「百年眠り続ける」という呪いに和らげられました。
それでも国王はあらゆる手を尽くし、呪いの成就を
防ごうとしましたが、王女が十五歳になったとき、
八番目の妖精の予言のとおり、糸車の針で指を刺し、
百年の眠りについてしまいました。
知らせを聞いた、七番目の妖精は王女が目覚めたとき
寂しくないよう、城じゅうの者を眠りにつかせ、城を
いばらで覆い尽くしたのです。
いつか王子様が迎えにくるまで、
王女を守るために。
それから長い年月が過ぎ去り…―――
ストーリー
眠れる森
開幕:ある想区にたどり着いた一行。眠っていたエレナはある夢を見ていた。それは物語について語り合う何者かの夢。目覚めたエレナはレヴォルの指摘により、自分が泣いていることに気づく。さらにいばらの森を偵察したアリシアとティムと今後のことを話そうとするが、そこへひとりの姫が現れ、さらに彼女を追って、オーク兵たちが現れる。ヴィランを繰り出すオーク兵に一行は立ち向かうのだが…。
終幕:オーク兵を追い払った一行は逃げてきた姫の名前がオーロラ姫であったことから、ここが“眠れる森の美女”の想区であることを知る。いばらの森の中で目覚めたというオーロラ姫はなぜか金の食器を手に持っており、なぜ自分が狙われているのかわからないという。一行は事の真相を確かめるために、いばらの城へと潜入する。
いばらの城
開幕:いばらの城にたどり着いた一行。だがオーロラ姫とともに目覚めるはずだった城の人間たちはみな眠りについたままだった。一行はオーロラ姫を連れて、いばらの城の中を進んでいくのだが…。
終幕:一行はオーロラ姫とともに城のあちこちを巡る。オーロラ姫は妖精から授かったはずの天分を失っており、すっかり自信を失ってしまう。そこでエレナはいばらの城の一室にあるリラの花と金の食器に気づく。すると一行の前に、かつてオーロラ姫の呪いを和らげた妖精、リラの精が現れ、オーロラ姫が妖精カラボスに天分を奪われたこと、金の食器を七枚集めれば、オーロラ姫は失った天分を取り戻せることを伝える。一行は妖精カラボスのもとへ向かうことに…。
夢に隠れた望み
開幕:カラボスの森にたどり着いた一行は森の中を進んでいく。同じころ、妖精カラボスはレヴォルたちの到着を察し、オーク兵たちにある仕事を命じる。
終幕:夜の森で、レヴォルたちはオーロラ姫にこれまでの旅の話をする。さらにオーロラ姫から夢の話を聞きながら、エレナは自分が見た夢に想いを馳せる。しかし、話もそろそろ終わろうかというときに、一行は突然眠りについてしまう。そして眠りについた一行に、オーク兵たちが迫る。
偉大なるカラボス
開幕:目覚めた一行の前に現れたのは妖精カラボスだった。カラボスは自らを讃える歌をコーラス隊とともに歌ったのち、一行に「次の舞台へ行く」と宣言し、一行を挑発する。どうすることもできない一行だったが、そんな中、ひとり爆睡を続けていたエレナは目覚めたのち、カラボスの逆鱗に触れる一言を放つ。かくして、一行はカラボスと戦うことになるのだが…。
終幕:一行がカラボスと戦っている頃、オーロラ姫もまたカラボスの城の牢獄に閉じ込められていた。オーク兵に煽られながらも、オーロラ姫は自分の運命を取り戻そうと足掻く。するといきなりオーク兵が気絶し、オーロラ姫のもとに金の食器が与えられる。オーロラ姫は開けられた牢獄を抜け、レヴォルたちのもとへ急ぐ。そんなオーロラ姫をある人影が見送るのだった。
もうひとりのプリンセス
開幕:激昂するカラボスは城を崩壊させ、オーク兵たちとともに撤退。一行は城の崩壊に巻き込まれそうになる。だが、そこへオーロラ姫が駆けつけてくる。一行はオーロラ姫とともに城を脱出する。
終幕:城を脱出した一行。カラボスの話から、一行はカラボスの狙いがこの想区にいるもうひとりのプリンセス、シンデレラの舞踏会で自らが『主役』になることだと推測。だが、一行はカラボスの仕掛けた結界により、外へ出られなくなってしまう。一行は金の食器を集めるために、リ・ページをする。
東の国へ
開幕:リ・ページでいばらの森に戻ってきた一行はオーロラ姫と合流し、事情を話すが、そこでオーロラ姫が金の食器を手にしていないことに気づく。さらにいばらの森に現れたカラボスたちの話を立ち聞きし、カラボスが金の食器を失ったこと、東の国にある金の食器を奪いに行くことを知る。東の国はフェアリー・ゴッドマザーの管轄、すなわちシンデレラのいる国だった。
フェスティバル
終幕:東の国の城下町にやってきた一行はそこで華やいだ町の様子を目の当たりにする。舞踏会に浮かれる町に、エレナもはしゃぎ、町の様子を見てまわる。そんな中、レヴォルとエレナはある笛吹きの少女を見かける。なぜか二人を見つめる笛吹きの少女はそのままどこかへ立ち去ってしまう。不思議がる二人だったが、さらにそこへとても綺麗な歌声で歌う少女を見かける。彼女は自らをシンデレラと名乗る。
シンデレラと金の食器
開幕:継母と義姉たちにこき使われるシンデレラを待つ一行。すると家から現れたシンデレラはオーロラ姫にある物を渡す。なんとそれは金の食器だった。さらにシンデレラは残りの金の食器を持つ妖精、フェアリー・ゴッドマザーのもとへ一行を案内する。
プリンセスの天分
開幕:フェアリー・ゴッドマザーの元にたどり着いた一行だが、そこで彼らが見たのは妖精カラボスに襲われるフェアリー・ゴッドマザーの姿だった。一行はフェアリー・ゴッドマザーを助けるために、両者のあいだに割って入るのだったが…。
終幕:妖精カラボスに襲われたフェアリー・ゴッドマザーは力を失ってしまう。シンデレラとオーロラ姫はそれぞれ妖精カラボスに憤りを向けるが、やがてシンデレラはあることを提案する。それはカラボスをギャフンと言わせるために、舞踏会の会場に乗り込むというものだった。
舞踏会の扉
終幕:舞踏会の会場である城の入口で、一行は舞踏会場に入る方法を模索する。そんな中、レヴォルはプロメテウスのことを思い出し、不安を募らせるのだが、一方エレナはある招待客から自分たちの分の招待状を受け取る。一行はついに舞踏会の会場へ乗り込むのだったが…。
とっておきの贈り物
開幕:舞踏会の会場にいる一行はカラボスを探す。そこへ金の食器を持った王子が現れた途端、カラボスが強襲を仕掛け、王子を我が物にしようとする。しかし、現れた兵士の一言でカラボスは本性をあらわにし、舞踏会で暴れ始める。一行はカラボスを止めるために、彼女に立ち向かうのだったが…。
終幕:カラボスを止めた一行はついに七枚の金の食器を集める。そこへリラの精が現れ、オーロラ姫に失われた天分を授けるのだった。そしてエレナはカラボスの気持ちに共感し、『再編』を発動しようとする。だが、そこへシンデレラがある一言を放つ。それをきっかけに、あるひとつの事実が示される…。
名もなき使者
開幕: 会場に現れた笛吹きの少女に、驚愕するティム。少女は自らをヘカテーと名乗り、リラの精を諭す。さらにカラボスは次々とヴィランを繰り出し、一行は逃げ場をふさがれてしまう…。
終幕:一行はヴィランを退けるが、カラボスはエレナを捕える。ヘカテーはエレナから『箱庭の王国』を奪い取り、高笑いをあげる。だが、そこへ謎の男が乱入し、取り乱したヘカテーは『箱庭の王国』を取り落としてしまう。アリシア、ティムを知る男は『箱庭の王国』を拾い、一行に渡す。エレナはリ・ページを発動し、その場を脱するが…。
妖精たちの陰謀
開幕:リ・ページでいばらの森に戻ってきた一行。だがティムはヘカテーとの出会いに動揺する。そしてレヴォルは現れた謎の男について、アリシアに尋ねる。そこでアリシアは、あの男がフォルテム学院にいたときの自分たちの教官であることを話す。
終幕:オーロラ姫に合流した一行は、男が待つ南の廃村へ向かう。一方、同じ頃、カラボスはある者の襲撃を受けてしまう。そこにはヘカテーやリラの精、そしてプロメテウスの姿があった…。
怪物と呼ばれた男
開幕:南の廃村にやってきた一行はそこでアリシアたちの教官だった男、パーンと会う。パーンはカオステラーの手がかりについて面白いものを見つけたと話し、一行を案内する。
終幕:パーンが見せたもの、それは昔の日記だった。村に見覚えがないと話していたオーロラ姫はかつてこの村に何度も遊びに来ていたのだ。さらにオーロラ姫が目覚めたのは百年後ではなく、五十年後だったことも明らかになる。リラの精がなにを目論んだのか推測するアリシアだったがそこへ、ヘカテーたちが襲いかかってくる。ヘカテーを前に戦えないティムの代わりに、パーンは『導きの栞』を構える。
運命の交換
開幕:パーンはヘカテーに、彼女たちが狙っているのは「運命の交換ではないか」と尋ねる。そしてパーンとともに一行はカオス・人魚姫にコネクトしたヘカテーに立ち向かう。
終幕:ヘカテーを退けた一行。パーンは「運命の交換」とはなにかについて話す。そして一行は、いままでオーロラ姫だと思っていた者の正体がシンデレラであり、シンデレラの正体がオーロラ姫であることを知る。一行はシンデレラ(=オーロラ姫)を助けに行こうとするがそこへシンデレラが現れる。
糸車の錘
終幕:一行はシンデレラ、オーロラ姫とともにいばらの森へやってくる。そこに現れるはずの者を待ちわびながら、パーンはリラの精が『再編』を逆手にとって目論んだことを話す。エレナがショックを受ける中、ティムはある光の接近に気付く。光の正体はフェアリー・ゴッドマザー、彼女はオーロラ姫、シンデレラに魔法をかけると、一行に道を示す。彼女たちが自らの運命を取り戻す道を……。
創造主たちの記憶
開幕:いばらの城にやってきた一行は、糸車の錘を探す。オーロラ姫を気遣うシンデレラだったが、オーロラ姫は逆にそんなシンデレラを称え、ともに運命を取り戻すためにいばらの城の奥へ進んで行く。
終幕:レヴォルは奥へ進みながら、アリシアに自分たちを手助けしてくれる長靴をはいた猫やフェアリー・ゴッドマザーのことを尋ねる。そこでアリシアはイマジンや創造主のことを伝える。そして、その創造主の集団について、エレナはある名前をつぶやくのだった。―――グリムノーツ、と。
ハッピーエンドの続き
開幕:いばらの城のバルコニーにやって来た一行の前に立ちはだかるヘカテー。ヘカテーはカラボスを操り、一行に襲いかかる。
終幕:カラボスを止める一行だったが、目の前で糸車の錘があるはずの塔が崩れてしまう。もとの運命に戻る手がかりを失ってしまった一行。そこへ現れたリラの精はオーロラ姫に待ち受ける運命を否定し、運命の交換に応じるよう迫る。だが、そこへ失われたはずの糸車の錘がオーロラ姫のもとに現れ、長靴をはいた猫、フェアリー・ゴッドマザーが駆けつけてくる。
創造主シャルル・ペロー
開幕:一行のもとに現れた創造主シャルル・ペロー。彼の意外な姿に一行は驚く。リラの精は現れた創造主に怒りを向けるが、シャルルは自らの矜持を語る。そしてヘカテーは糸車の錘を取り返すために、ヴィランを一行に差し向けるのだったが…。
終幕:オーロラ姫は糸車の錘を手に、自らの運命に誇りを抱いていることを話し、シンデレラや一行に感謝を告げるとそのまま糸車の錘に指を刺し、眠りについてしまう。「運命の交換」を諦めたリラの精だが、彼女はさらなる凶行を企てようとする。だが、そこへ謎の男が現れる。パーンは男を見て、あることを尋ねる。「君が、プロメテウスだね?」
何者でもない神
開幕:ついに一行の前に姿を現したプロメテウスはエレナに『箱庭の王国』を渡すよう迫る。だが、パーンはプロメテウスの正体についてある推測を立てていた。そしてプロメテウスはリラの精にカオステラーの力を戻す。一行はシャルル・ペローとともに、プロメテウス、リラの精に立ち向かう。
終幕: 敗れたリラの精に、シャルル・ペローは幸せは運命によって規定されるものではないと語る。そしてオーロラ姫を助けるというシンデレラの言葉を聞き、リラの精は自らの過ちを悟る。そしてシャルル・ペローに促され、エレナは『再編』を発動させるのだった。
夢のお話
終幕:『再編』された想区にて、オーロラ姫は王子に出会う。そして王子から聞かされたシンデレラという名前を聞き、ある夢のことを語る。そして一行はパーンを加え、旅を続けることに。いよいよフォルテム学院へ向かおうとする一行だったが、レヴォルたちの思惑をよそに、ティムとパーンはあることを画策するのだった…。